中国に負けないベトナムから何を学ぶか(上) ベトナムとのビジネスに比べたら、中国は超簡単!

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ハノイ市内にあるベトナム軍事歴史博物館。ベトナム戦争時の「生々しい記憶」が収められている

今回のコラムでは、私自身が最も多く取引をしてきた中国と、ベトナムの関係についてふれてみたい。7月3日の安積明子氏のコラム「中国との付き合い方、ベトナムに学べ!」はとても興味深く読んだ。

先日の米中対話でも、中国の海洋への「野心」が明らかになったが、昨今の中国の軍事的な拡大行動を見るにつけ、気になることがある。それは、中国政府や同国の人民解放軍の過信だ。つまり、「海洋の防衛」と言いながら、実行していることは、明らかにやりすぎではないか、ということだ。

中国は、ベトナムを甘く見ている?

ここからが今回の「本題」だ。要は、中国は戦線を広げすぎて、最もしたたかなベトナムとの「戦い」に突入したように見えることだ。つまり、南沙諸島や西沙諸島を巡る戦いに突入したことである。

これまでもこれらの地域では、問題は存在した。だが実際のところ、問題は「棚上げ」になっていたから、今まで「戦い」は表面化しなかったのである。中国は、共産党が一方的に設定した「九段線」(南シナ海において領有権を主張しているエリア)を根拠に、南シナ海で天然資源を掘削するなど、自分自身で開発を進めているようにみえる。だが、南シナ海に接する国々は、中国の主張を認めていないのだ。

この「九段線」は俗に「赤い舌」などと呼ばれている。これは台湾からフィリピン、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、ベトナムに至る中国が勝手に引いた9カ所の領有権問題に関する赤い領海線をつなげると、「舌の形」をしているためである。

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