中国人は、なぜ食い散らかすのか?   食がわかれば、中国ビジネスがわかる

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中国湖北省の正月料理。一族が集う(ZUMA Press/アフロ)

昨年末のコラムに「中国のトイレはなぜ汚いのか」を書いたところ、ものすごい反響があった。

てっきり中国人の友人たちから相当なおしかりを受けるのかと思ったら、「中村先生のおっしゃるとおりです。確かに中国人は自分の家はきれいにするのに、公共施設だとあまりきれいにしません。中国人のマナーで気になるところがあったら、もっと指摘してください。でも、今から中国は必ず変わりますよ」と、親しい友人から前向きの意見が出てくるので、逆に驚いた。

つまり、現代の中国人、それも都市部のインテリ層やエリートたちは、すでに自分たちの問題に目覚めているわけだ。一方で、内陸部などでは、旧態依然としていることもまた事実なのである。文化や習慣の違いだから、大げさに指摘するほどのこともないのだが、日本人から見て、変だなと思うことを直接聞いてみると、「なるほど、そういうことなのか」と納得できる部分が多いので面白い。今回からは、主に中国の一般の人々の「食」や「食のマナー」にまつわる話などを通して、中国ビジネスや中国人を考えてみたい。

テーブルをちらかして食べるのは、よくあること

日本人は料理を食べるとき、テーブルなどを汚すのは行儀が悪いと考え、魚の骨などはお皿の端っこに隠すように寄せることが多い。だが、中国人(ほかの国などの一部もそうだ)は魚の骨や、肉の骨、をテーブルの上にペッと豪快に吐き出すことが少なくない。これは、食べている最中に口から出したカスをお皿に載せるのはもっと汚いと考えるからだ。汚いものはテーブルに吐き出し、服務員が片付けてくれるから問題はないと考えているのだ。

また、以下の話は、読者の皆さんも時々聞くのではないだろうか。日本人は通常、料理を残すのは作ってくれた人に失礼だ、と考える。だが、中国人は、料理を少々残すほうがよいと考える。なぜなら、料理を振る舞うほうからは「食べきれないくらいたくさんご馳走した」という形をとれるからだ。もし、招待をした主人が出した宴会料理を完食されたら、足りなかったと恥ずかしく感じるのである。ここらが日本人とは違った感覚だ。どちらがよくてどちらが悪いわけではない。単なる文化の違いである。

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