「中国崩壊論」は全部ウソ! 人は事実より、信じたいことを信じる弱い生き物

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 グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバル エリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを 縦横無尽につづる。
日本でささやかれる「中国共産党崩壊論」は信憑性が薄い(写真:Photoshot/アフロ)

グーテンターク!! さて、私はプラハを離れて早朝にドイツのフランクフルトに着いたわけだが、フランクフルトはヨーロッパにしては珍しく、“人が働いている”実感のある都市である。高層ビルが立ち並び、おなじみドイチェバンクのそれはそれは立派なヘッドクォーターがそびえたつ。その隣にはUBSやコメルツバンクなどヨーロッパの主要銀行が集中し、華美な装飾が多いヨーロッパの建築物にして、ドイツだけはシンプルで機能的な近代ビルが多い。

そもそも今のヨーロッパで建築中の建物を見られるのって、ドイツくらいのものではなかろうか。不況で有名なヨーロッパだが、社会保障削減や解雇規制緩和などの構造改革を一足お先に進めたドイツだけ、歴史的に低い失業率と堅調な経済を享受している。

本来ならばこのまま、ドイツにまつわるコラムをご提供したいのはやまやまだが、恐る恐るネットでwww.toyokeizai.netと入れてみると、いまだに「中国共産党は2、3年で崩壊の可能性も」などというコラムがわれらが東洋経済オンラインで人気を集めており、東洋経済オンラインの治安を守るグローバルエリートが、再びスクランブル発進することを余儀なくされている。

そこで今回もまた、異色のエコノミストインタビュー後編で取り上げられた中国崩壊論に関し、餅は餅屋に、中国金融のハナシは中国人バンカーにということで、私の中国フレンドでバンカーとして香港で働くプロフェッショナルに聞いた話を基に、実際の中国の現状をお届けしよう。

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