「ロコ・ソラーレ4人組」の心に響きまくる16名言 北京オリンピック銀メダルに繋がった人間力

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○準決勝のスイス戦を前に
チームの合言葉「ことぶら」

「年長の石崎琴美選手を手ぶらで帰すわけにはいかない」の略語。カーリング会場は2008年の北京オリンピックで水泳が開催され、北島康介選手が金メダルを獲得しました。さらに4年後のロンドンオリンピックで個人メダルを逃した年長の北島選手にメドレーリレーのメンバーが「手ぶらで帰すわけにはいかない」を合言葉にしたことに引っかけたもの。チームのモチベーションアップにつながったことは間違いないでしょう。

カーリング文化で人生が豊かに

あらためて振り返ると、ロコ・ソラーレのメンバーは、常に主語が「私たち」でした。「自分よりチームを優先することで、結果的に1人ひとりが称賛を受けられる」というチームマネジメントの好例だったのではないでしょうか。

ここでの名言は、吉田知那美選手と藤澤五月選手にほぼ集中しましたが、決して他選手の言葉が乏しいわけではありません。

吉田夕梨花選手は1人目のインタビューとなるため、どうしても全体の印象を語るケースが多くなりますし、その上でさまざまな人々に感謝を伝える誠実な人柄が見えます。また、鈴木夕湖選手は、誰よりもインタビュアーの質問を正面から受け止めて、自然体で話そうとする姿勢が見えました。全員が名言を放つのではなく、5人がそれぞれのスタンスで語れるところにもロコ・ソラーレのチームワークを感じさせます。

最後にもう1つ挙げておきたいのが、吉田知那美選手の「カーリングというスポーツの文化は人生を豊かにしてくれるものだと思っているので、オリンピックをきっかけに、カーリング文化が日本に広がってくれたらいいなと思います」という言葉。

カーリングには、「相手を見下したり、プレーを妨げたりしない」「不当に勝つのなら負けを選ぶ」などの競技理念があり、負けて悔しくても相手を称えることがカーラーたちの心に根付いています。実際、ロコ・ソラーレのメンバーたちは何度も相手チームを称え、勝敗にかかわらず笑顔で接していました。そんなカーリングの文化が広がれば、人間関係が円満なものになり、人生が豊かになるのかもしれません。

ロコ・ソラーレは2010年の結成から、6年後の2016年に日本カーリング選手権で初優勝、2018年に平昌オリンピックで銅メダル、2022年の北京オリンピックで銀メダル……となれば金メダルへの期待は高まりますが、彼女たちならそれ以外の感動をもたらしてくれるのではないでしょうか。

凱旋試合となる5月21日からの日本カーリング選手権では、どんな名言が聞けるのか。こちらも楽しみです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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