「ロコ・ソラーレ4人組」の心に響きまくる16名言 北京オリンピック銀メダルに繋がった人間力

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○イギリスにも大敗し、初の連敗を喫して(4-10で敗戦)
吉田知那美選手「戦っているのは対戦相手というより、『いかに自分の持っている20投を大切に投げれるか。しっかり決めれるか』だと思います。残り2試合しかないので……でも『2試合しかない』と思うのか、『2試合もある』と思うのかで気持ちの部分で違ってくると思うので、次は今日よりも昨日よりもいいプレーができるようにしっかり準備したいと思いました」

「相手を気にするより、自分たちのベストを尽くす」というチームスタンスを具体的に言語化しています。また、『2試合“も”ある』と口に出すことでネガティブからポジティブにマインドチェンジ。実際、次のアメリカ戦は試合前からフレンドリーマッチを思わせるほど笑顔全開の姿が見られました。

○アメリカ戦の試合後(10-7で勝利)
吉田知那美選手「しっかりスコアボードを見て、別に4点取られても私たちにとっては(まだ有利な後攻の機会が相手より多い)いいシチュエーションだったので、そこはしっかりと“心のアドバンテージ”を使って、落ち着いて次のエンドをプレーできたのは、『このチームで8年間くらいしっかりと積み上げてきたものなんじゃないかな』と思っています」

楽勝ムード一転、第7エンドでまさかの4失点を喫し、同点になってしまったシーンを振り返っての言葉。選手たちは動揺するどころか、冷静に“心のアドバンテージ”を感じていました。「同点に追いつかれた」という一部のネガティブだけをピックアップせず、常に全体を俯瞰して考えることの大切さを私たちに教えてくれているようです。

「結果を出せる」チームの名言

○スイスとの準決勝終了後(8-6で勝利)
吉田知那美選手「4位上がりの私たちの最大のアドバンテージは、ラウンドロビーで他の3チームよりもたくさんのミス、たくさんの劣勢を経験できたことだったので。私たちは3点取られることも、4点取られることも既に経験していたので。そこに関しては3点取られたって驚くことなく、『1点アップなんだ』っていう気持ちで冷静にエンドの展開を作れたのが凄く大きかったなと思います」

銀メダルを獲得しながら、戦績は6勝5敗で、得点より失点のほうが多かったことも含め、決して強いチームではありませんでした。それでも銀メダルを獲得できたのは、多くのミスや劣勢を経験し、それをプラスに転じることができたからでしょう。ラウンドロビー1位のスイスを破った準決勝の試合に、そのたくましさが表れていました。

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