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日本人が知らない「熊本の水がすごい」本当の理由 大手半導体メーカーも目をつけた水守る仕組み

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となると、半導体製造によって大量に地下水が「奪われる」のではないか、と心配する向きもあるだろうが、実は熊本には「地下水保全条例」があり、地下水を大口取水する事業者に、知事の許可を得るよう課している。

この条例では地下水を「私の水」ではなく「公共の水」であるとしている。地下水は水循環の一部であり、県民の生活、地域経済の共通の基盤である公共水と明記されており、基本的には憲法や民法に抵触しないゆるやかな許可制度であり、大事な水を一定のルールのもとに使うことを目的としている。

なぜ条例を改正したのか

条例改正のきっかけは、地下水が減少していたことに始まる。2008年の地下水採取量は1億8000万トンと、17年前の75%に減少していたのにもかかわらず、地下水位が低下していたのだ。

熊本県が所管の33カ所の地下水位観測井戸で水位を測定ところ、1989年と2010年の水位を比較すると、14の井戸のうち12の井戸で水位が4、5メートル減少していることが判明。手を打たなければ、将来枯渇してしまうことがわかったのである。

原因は、涵養(かんよう、地表の水が地下にしみ込むこと)量が減ったことだった。熊本県では東から西へ白川が流れる。出発点は阿蘇カルデラで、急流となって田畑の広がる中流部を駆け抜け、熊本市街地を貫流し、低平地に広がる穀倉地帯を経て有明海に注ぐ。水の流れは地表だけではない。目に見えない地下の流れは人々の命の水となる。

白川中流域は、地下水の重要な涵養域となっている。「白飯1杯、地下水1500リットル」という言葉を聞いた。これは地下水と田んぼの関係を表したものだ。

阿蘇の噴火でできた土壌は水を通しやすい。今から400年以上前、加藤清正が熊本に入り、白川中流域に井堰を築いて水田を開いた。熊本地域の地下水涵養量は年間6億4000万トンとされ、そのうち3分の1を水田が担う。とりわけ白川中流域の水田は、他の地域に比べて5倍から10倍の水を浸透させ「ざる田」と呼ばれていた。

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