11月19日が、国連が定めた「世界トイレの日」だということを知っているだろうか。私たちは普段何気なくトイレを使っているが、日本のように清潔な水洗トイレがない国が世界にはたくさんある。「トイレを流すのに必要な水の量」や「清潔なトイレがないことのリスク」など、日本人が知らないトイレの真実を紹介しよう。
1日ペットボトル22.5本分の水を流している
トイレってどのくらいの水を使うの?
トイレといえば「水で流すもの」と思う人は多いだろう。水の力を使って排泄物を生活空間から遠ざけている。
東京都水道局の「生活用水実態調査」によると、家庭で1人が1日に使う水の量は平均214リットル(令和元年度)程度。そのうちトイレでは21%(平成27年度の同調査)というから、トイレの洗浄に約45リットルの水を使っていることになる。2リットルのペットボトルに詰めたら22.5本。蛇口から直接飲めるレベルに浄水処理された水で排泄物を流していると考えると、なんとももったいない気がしてしまう。
だだ、洗浄する水の量は年々減ってきてはいる。TOTOによると、1975年以前は1回に流れる水量は20リットルだった。その後、節水をテーマに改良をはじめ、1976年に13リットル、1993年に8リットル、そして現在の主流は4.8リットルになっている。
1975年以前と比べると、1回に15.2リットルの節水が可能になった。水環境にはやさしいけれど、水道水の経営的には「水が売れない」という事態が発生しているのだがから皮肉なものだ。
なんで洗浄水の使用量は減ったの?
形が平らな「和式便器」から傾斜のある「洋式便器」に変わったから。平らな場所に置かれた物に水をかけて流すより、傾斜のある場所に置かれた物に水をかけて流すほうが、使う水の量は少なくてすむ。さらに水が渦を巻きながら流れる工夫、水を貯めるタンクの改良などが行われ、洗浄水をかつての約4分の1に減らすことができた。
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