日本人がトイレを流すのに使う「驚きの水の量」 毎日使っているのに実は知らないトイレの真実

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2. 女性、女の子たちを危険にさらす

家にトイレがないために、女性や女の子たちは暗くなるのを待ってから、用を足すための静かな場所を探す。そのため襲われたり、性的暴行を受けるおそれがある。

3. 月経に対応することが困難

家庭や学校に適切なトイレがなければ、安全に、尊厳を持って月経に対応することは不可能。月経が始まる年齢になると退学する女の子が多くいる。

トイレと経済の深い関係

4. よい医療が行き届かなくなる

コミュニティの衛生状況が適切でないということは、同様に医療施設にも適切な衛生設備がないということ。患者や医療従事者は、本来予防可能な感染症によって命を脅かされる危険がある。

5. 貧困から抜け出すことができない

不衛生な環境によってコミュニティの人々が頻繁に病気にかかっている場合、生産性のある仕事をしたり、子どもたちが学校に通い続けたりすることは困難。適切な衛生環境なしで近代化と繁栄を成し遂げた都市や国はない。

6. 経済に悪影響を及ぼす

衛生設備の不備、清潔でない水や衛生教育が行き届いていないことによる病気が原因で、保健医療費の支出、ならびに生産力の低下が生じ、結果として多くの国は、GDPの最大5%分を失う。この数字は、2008年の経済危機のピーク時に起きた途上国経済の下落よりも大きい。

世界トイレの日を機会に、普段は当たり前と思っている「トイレのありがたさ」を感じてほしい。そして開発途上国にトイレをつくる活動などを行なっている組織や団体を支援することで、SDGs6の達成で協力してみたい。

橋本 淳司 水ジャーナリスト

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はしもとじゅんじ / Junji Hashimoto

武蔵野大学客員教授。アクアスフィア・水教育研究所代表。Yahoo!ニュース個人オーサーワード2019。国内外の水問題と解決方法を取材。自治体・学校・企業・NPO・NGOと連携しながら、水リテラシーの普及活動(国や自治体への政策提言やサポート、子どもや市民を対象とする講演活動、啓発活動のプロデュース)を行う。近著に『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る 水ジャーナリストの20年』(文研出版)、『水がなくなる日』(産業編集センター)など。

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