「名著、難しい本」をぐいぐい読みこなす簡単5秘訣 諦めるのはもったいない!おすすめの方法は?
最後は「その本の『漫画版』や『映画版』を探してみる」ことである。
誰もが知っているような名著だと、「漫画版」が出ていたり、「映画化」されていたりすることもある。
漫画好きな人なら漫画のほうが、ストーリーがすっと頭に入ってきやすい。登場人物が見分けやすくキャラクターが立っているので、頭を整理しやすいというメリットがある。
『罪と罰』も何度となく映画化されているが、わたしのおすすめは「漫画版」だ。
こちらもいくつか出ているが、最初に読むといいのは、岩下博美さんの『罪と罰(まんが学術文庫)』(講談社)だ。原作に忠実な内容で、しかも1冊で完結しているので手軽に『罪と罰』の世界を理解することができる。
また、落合尚之さんの『罪と罰 A Falsified Romance』(双葉社)は、ドストエフスキーの原作を下敷きに、舞台を現代の日本にしている。ストーリーは原作からかなり改変されているが、ドストエフスキーの哲学を新しいかたちで見事に描いていて、大変な傑作である。
岩下博美さんの漫画とあわせて読むと、理解がさらに深まってぐいっと「ドストエフスキーの世界観」に近づいた感覚が実感できるだろう。
名著ほど「外堀情報」が大量に存在する
「名著」や「難解な本」は、その本を単体として読むだけでなく、その本をとりまく記事やレビュー、入門書などを読んでいくことによって、「外堀を埋めていく」のがコツである。
その本の全体像を理解できるだけでなく、その本が持っている「現代的な意味」や「歴史の中における立ち位置」など、さまざまな背景知識を得ることができるのだ。こうした「外堀情報」は、名著であればあるほど大量に存在するので、活用しやすい。
わたしたちの大事な目標は、「難解な本」を素材にして「世界を学ぶこと」である。「偉大な文豪の視点」をわがものにすることで、文豪が世界をどう認識していたのかを学ぶことができる。それによってわたしたちは、世界のアウトラインを「文豪の世界観」を通して見ることができるというわけだ。
みなさんも「名著、難解な本を読む力」を身につけることで、「文豪の世界観」を体得し、ぜひ自分の「知肉」に変えていってほしい。
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