「恵まれてるね」の偏見に苦しむ帰国子女の苦悩 華やかさの裏側にある苦しみは理解されない

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一面的に華やかに見られがちな「帰国子女」の知られざる苦悩とは?(写真:筆者撮影)

「帰国子女の苦労」なんて言われても、「何それ?」と感じる人が多いでしょうか。親は駐在員や外交官とか、「恵まれたおうち」の子でしょう? 語学は堪能で、勉強もできて、カッコイイし、うらやましい。苦労だなんてピンと来ない、と思うかもしれません。

「その華々しいイメージが、ずっと苦しかった」と話すのは、関西に暮らす百合さん(40代)です。お金の苦労は実際したことがないし、いまでは「貴重な経験をさせてもらった」と感謝もしている。けれど「その華々しいものの裏側にあるものを、少しでも知ってもらえたら」と、メッセージを送ってくれました。

オンラインは苦手だという彼女に会うため、大阪のとある百貨店のティールームを訪れたのは、今年の正月明けのこと。初めて連絡をもらってから、2年近く経っていました。品のいい調度品が並ぶ店内はパーテーションで細かく仕切られ、百合さんと私はマスクを上げ下げしながら紅茶を飲み、そっと話を始めたのでした。

転校も進学も、父の仕事の都合で突然決まった

百合さんは子どもの頃、父親の仕事の都合で、日本と欧州を行ったり来たりしていました。生まれたのは欧州で、小学校入学前に日本に帰国。小6で再び欧州に渡り、大学入学時に再び日本に帰国して、現在に至ります。行った国の名前を書くと、彼女の知り合いにわかってしまう可能性があるため、ここでは伏せておきます。

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就学前、日本に戻るまでの記憶はまったくありません。現地の言葉と日本語という2つの言語を一度に習得しなければいけなかったためか、言葉は遅かったようですが、その後は2カ国語を器用に話していたと、親からは聞いています。幼稚園から小学校の頃は大阪の近くの街で暮らし、このときの友人とはいまでも親しくしているとか。

再び欧州で暮らし始めたのは、小学6年生の途中からでした。父の勤務先の都合でやむをえなかったのでしょうが、学年が変わってすぐの海外転勤、すなわち転校は、子どもにとっては災難でした。とくに、当時中学生だった兄は激しく反発しましたが、とはいえ子どもだけ残るわけにもいかず、日本を離れることに。

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