就活で見逃しがちな「グループ面接対策」の重要性 一対一と勝手は違うがパターンを知れば大丈夫

✎ 1〜 ✎ 709 ✎ 710 ✎ 711 ✎ 最新
拡大
縮小

今回の調査は2022年卒学生に対して2021年6月に実施したが、面接は3月から4月にかけて行われるものが多く、コロナ禍のど真ん中の時期だ。設問でも「コロナ」を問うものが多く、「アフターコロナ」や「収束した後」と未来志向である。

2023年卒採用の選考時におけるコロナの感染状況は不明だが、2022年卒同様に「コロナ」をお題とする企業は多いはずだ。自分なりの考えをまとめておいたほうがいい。

「コロナウイルスのワクチンをより早く、効率的に多くの人に接種させるにはどうしたらいいか」(文系・上位私立大)

「コロナ禍で今後注力すべきビジネスは何か」(文系・旧帝大クラス)

「コロナ禍による緊急事態宣言。賛成か反対か」(文系・その他私立大)

知識で解けない問題は?

面接対策の1つに「フェルミ推定」がある。フェルミ推計とは、知識で解けない問題だ。聞き慣れない名称だが、エンリコ・フェルミというノーベル物理学賞を受賞した物理学者に由来するそうだ。

一対一の面接では定番の質問だが、グループディスカッションでもよく出題される。典型的な質問として、「全国に小学校はいくつあるか」「東京都にマンホールはいくつあるか」などがある。今回のアンケートでも「全国に郵便ポストはいくつあるか」(文系・上位私立大)がある。

フェルミ推定のポイントは、(1)短時間に答えを出すこと(2)知っている知識だけをもとに合理的な仮説とロジックを利用することだ。例えば、人口は仮説の土台として使える。

マンホール問題では、東京都の戸数を類推すればいい。マンホールは下水道の能力を指し、ひとつのマンホールを50戸が使うと仮置きする。次に東京都の戸数だが、東京都の人口を1400万人と仮置きし、ひとつの家に2人住んでいると仮置きすれば、マンホールの数は1400万÷2÷50=14万と計算できる。もちろん、この数字が正解とは限らない。答えを導き出した仮説とロジックを説明できればいいのだ。

ディスカッションでの設問を見ると、フェルミ推計を応用する問題がとても多い。小学校に関する設問では「小学生にスマホを持たせるべきか」(文系・早慶大クラス)とか、「小学生に学ばせる授業を1つなくすなら、国語、算数、英語、理科、社会のどれか」(文系・上位私立大)がある。

こういう問題に答えるためには、優先されるべき「高い価値」という仮置き(仮説)を作る必要がある。

次ページ「あれかこれか」の二択問題
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT