就活で見逃しがちな「グループ面接対策」の重要性 一対一と勝手は違うがパターンを知れば大丈夫

✎ 1〜 ✎ 709 ✎ 710 ✎ 711 ✎ 最新
拡大
縮小

「グループでは時間を割いて聞いてもらえない」と不満を漏らす学生もいる。しかし、一人ひとりの面接によって客観的な評価が下せるかというとそうとは限らない。一人の学生を複数の面接官が採点する場合、採点が一致することも多いが、個性的な学生に関しては正反対になることも多い。

人間はよく知っているパターン(自分や周辺の人物)に共感する傾向があり、あまり見たことのないタイプへの評価は低くなりがちだからだ。

ところが、グループワークでは学生たちに課題を与え、作業を見て発言を聞いてから評価する。つまり、複数の学生を比較している。これは客観的な視点である。

よく出題される「桃太郎」

さて、GDやGWのテーマだが、いろんなお題が出される。パターン別に紹介しよう。まずおとぎ話を使うパターン。幼児の頃にたくさんのおとぎ話を聞いたはずだ。さるかに合戦、因幡の白ウサギ、一寸法師……。しかし、GDで使われるのは「桃太郎」。仲間が集まってチームになり、鬼退治というプロジェクトを成功させる物語だ。

「桃太郎が鬼ヶ島に連れて行く動物にあと1匹付け加えられるとしたら、どんな動物を連れて行くか。連れて行く主旨を説明したうえで、相手の意見の弱点を突くのではなく、自分の選んだ動物の魅力を伝えて、全員を納得させよ」(理系・早慶大クラス)

「桃太郎のお供でもっとも活躍したのはサル、イヌ、キジの誰か」(文系・中堅私立大)

「桃太郎の相棒3匹の中で1番強いのはどれか」(文系・旧帝大クラス)

どのような主張をしてもいいが、チームの特質を踏まえておく必要がある。吠えて噛みつくイヌ、空を飛び鬼の目を突っつくキジ、器用な手先でひっかくことができるサル。それぞれの特技を生かして戦うことで桃太郎チームは鬼に勝つことができる。

おとぎ話が使われる理由は「だれでも知っている」からだ。国民的SF漫画「ドラえもん」もよく使われる。のび太の同級生のしずかちゃん、ジャイアン、スネ夫などのキャラクターが明確でわかりやすい。

「ドラえもんののび太くんがジャイアンに勝つ秘策は何か」(文系・中堅私立大)

「ドラえもんの主人公はのび太かドラえもんか」(文系・中堅私立大)

「のび太くんとしずかちゃんの家をデザインする」(理系・その他私立大)

桃太郎にしてもドラえもんにしても、すべての学生が熟知しているとは限らない。しかし、「だれでも知っているはず」とされていることに関する知識は社会人として不可欠だ。「わたしは知らない」ではGDを乗り切れない。

次ページ定番の「無人島サバイバルゲーム」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT