ハイブリッド車はいつから「悪役」になったのか 正義の味方「EV」をめぐる2つの大きな誤解

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「正義の味方」とみられているEVをめぐる2つの大きな誤解とは(写真:Krisztian Bocsi/Bloomberg)
今、世界をゆるがす「脱炭素」の流れで、2030年代にガソリン車・ディーゼル車等の販売禁止を宣言する国が増えています。いったいなぜ、そんなにも早く禁止するのでしょうか。しかも、ガソリン車・ディーゼル車に加えて、ハイブリッド車までもが販売禁止の対象になりつつあります。これはハイブリッド車によって大躍進した日本にとっては大打撃です。なぜこんなことになっているのか。本稿では江田健二氏の新著『2025年「脱炭素」のリアルチャンス すべての業界を襲う大変化に乗り遅れるな!』より一部抜粋して紹介します。

EVを、どうしても普及させたい勢力

なぜ、ハイブリッド車の販売禁止が検討されているのでしょうか。かつては、エコカーの代名詞だったハイブリッド車がいつから悪役になってしまったのでしょうか。

1997年、世界初の量産ハイブリッド乗用車「トヨタ・プリウス」が発表されました。「21世紀に間に合いました」がキャッチコピーです。ハイブリッド技術が自動車業界の「ゲームチェンジ」となり、日本車をさらに躍進させました。

実は、ハイブリッド車はこれまでも1億トン以上、温室効果ガス削減に貢献しています。燃費の悪いガソリン車から転換することで、温室効果ガスの削減に寄与してきたのです。温室効果ガス削減に貢献してきたハイブリッド車の販売禁止が検討されているのはなぜなのでしょう。ハイブリッド車が悪いわけではないのです。

ここには、ヨーロッパ自動車メーカーが仕掛ける「したたかなゲームチェンジ」があるのです。地球のため、環境のためという主義主張に、ヨーロッパのメーカーが「自動車産業で、世界市場に返り咲くため」という狙いが入っています。

EVへの急速なシフトの背景には、2015年の「ディーゼルゲート事件」があります。ヨーロッパは、ハイブリッド車に対抗するために、ディーゼルエンジン車の開発に力をいれていました。

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