1月に入って、オミクロン株の全国的な感染急拡大により、新型コロナウイルスの「第6波」に襲われている。新規感染者の急増により、またもや保健所業務の人手不足、病床逼迫や、自宅療養での混乱が憂慮される状態になっている。
「第6波」の感染者数は、過去最多だった「第5波」を超える勢いだが、財政面でも耐えられるだけの備えができているのだろうか。「第5波」の際には、新型コロナ対応の病床を確保するために、政府は多額の補助金を医療機関に出した。しかし、補助金を受け取りながら新型コロナ患者を受け入れない医療機関が一部にあったという話が顕在化した。
2020年度は11.5兆円もの予備費を計上した
2020年度に新型コロナが初めて感染拡大した際には、3次にわたる補正予算を組み、最大で11.5兆円もの新型コロナウイルス対策予備費を計上して対応に当たった。
2021年度に入って、4~5月に直面した「第4波」、7~8月に直面した「第5波」に対しては、2021年度当初予算に盛り込まれた5兆円の新型コロナウイルス対策予備費で対応した。2021年度中に補正予算が組まれたのは、政権が岸田文雄内閣に変わった後の11月になってからだった。
2020年度には、新型コロナ対策予備費を11.5兆円(最終的には9.65兆円)も用意して、第3波までを乗り越えたが、第4波と第5波は、それらよりもはるかに多い感染者数でありながら、5兆円の新型コロナ対策予備費で、十分に対応できたのだろうか。
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