2022年度は、2年に1度、公的医療保険の価格(診療報酬)が改定される年だ。その全体像が明らかになった。
今回は、例年の診療報酬改定と比べて、大きな変更が多い。まず、2022年度から不妊治療が保険適用されることとなった。これまで、一般不妊治療(タイミング療法、卵巣刺激法、人工授精など)の多くは公的保険が適用されているが、特定不妊治療(体外受精や顕微授精)は公的保険が適用されず、自由診療とされてきた。
そして、わが国では、原則として、保険診療と自由診療を合わせる混合診療が認められていない。だから、自由診療となる不妊治療を受けるならば、その費用は基本的に全額自己負担しなければならなかった。
この費用負担の重さに配慮し、少子化対策の一環として不妊治療への保険適用を早急に実現することとしたのが、菅義偉前内閣だ。2020年12月に全世代型社会保障検討会議がこの施策を盛り込んだ「全世代型社会保障改革の方針」をとりまとめ、閣議決定された。
今回の診療報酬改定で、これが実現した。結果、不妊治療の多くに公的保険が適用されることとなり、医療費の自己負担は3割なので、相当の負担が軽減されることとなる。
リフィル処方箋導入の効果は大きい
もう1つの大きな変更点は、リフィル処方箋の導入である。リフィル処方箋とは、症状が安定している患者について、医療機関に行かずとも、一定期間内に反復利用できる処方箋である。これは、財務省が10年来導入を主張してきたが、実現していなかった。
リフィル処方箋によって、患者の通院負担が軽減されて、利便性は高まる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら