活用の手本「ロード・オブ・ザ・リング」ロケ地の今 「ホビット村」は公開20年経た今も観光名所に

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――撮影場所を観光地化しようというのは、どの時点で決まったのでしょうか。

第1作目の「旅の仲間」が公開された直後に、映画会社の方とそういった形の話し合いを始めました。

――スムーズにお話が進んだ感じですか。

もちろん何事にも時間は必要なので、きちんと必要なプロセスを踏んでいくことは重要です。権利の問題など、ワーナー・ブラザーズさんなどとの話し合いだけでなく、インフラの部分で、撮影用に建てた構築物をどういうふうに使うかなどいろんな課題がありました。そうした意味での話し合うべきことはたくさんありましたが、きちんと踏むべき段階を踏んで、スムーズに行われていきました。

日本から訪れる人も多い

――ツアーの来場者はどれぐらいですか。

最初の時期は年間2万3000人ぐらいの方にいらしていただき、その後もどんどんお客さまに来てもらっています。来場者数は右肩上がりです。

この場所をホビトン・ムービーセットとして、永久に保存しようという形になってからは、さらに来場者が増えました。コロナ禍が始まる前は、世界中から年間で65万人ぐらいの方が来てくださるような、非常に人気のアトラクションとなりました。

――日本からの来場者はいかがですか。

もちろん日本人のお客さまは非常に重要だと考えています。数字はあいまいですが、来場者の7~8%ぐらいを占めていると思います。ただその数字とは関係なく、日本の市場、日本のお客さまというのは、われわれにとって非常に重要な位置を占めているのは間違いありません。

――撮影現場ツアーではどのようなものが見られるのでしょう。

基本的に映画制作がどういうふうに行われるのか。実際に牧羊場だった場所がどのようにしてホビット村に変わっていったのかを、段階を踏んで見ていただけたり、学んでいただけたりするようなツアーになっています。またLOTRだけではなく、いわゆる映画がどういうふうに作られるのか、というようなことも学んでいただけるようになっています。

――20年たってなおLOTRの人気は健在ということですね。

最初の作品が公開されてからもう20年たっているわけですが、おかげさまでいまだに人気ですし、逆にある程度、人数制限もするような状態でした。ただもちろん新型コロナがあってからは、海外も含めて、お客さまもいらっしゃらなくなったということで、かなりの人数減となったんですが、状況が変われば海外からのお客さまもまた戻ってきていただけると信じています。

――今後の展望はいかがですか。

基本的には、われわれの施設をより良いものにして、皆さんにより良い経験をしていただくことだと思います。そのための新しいアイデアもいろいろとありますし、そういったものをこれからも継続的に実践していきたいと思います。

今は新型コロナの関係で非常に特別な状況になっておりますので、まず世界中から旅行者の方に戻ってきていただきたい。世界がそういう状況になりましたら、いろんな今温めているアイデアを実現していって、より良い経験を皆さんにしていただいて、楽しんでいただきたいですね。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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