J・R・R・トールキンの傑作ファンタジー小説を3部作で映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』(以下LOTR)。2001年に第1作が公開(日本公開は2002年)されたのを皮切りに世界中で記録的なメガヒットを記録。米国アカデミー賞をはじめ数多くの映画賞に輝いた。公開から20年たった現在でもなお、ファンタジー映画の金字塔として世界中の観客に愛されている。
そんな『LOTR』の舞台といえば、幻想的な世界観が広がる「中つ国」であるが、撮影した場所は、ピ―ター・ジャクソン監督の出身地で、雄大な自然とドラマチックな景観を擁するニュージーランドだ。
海外作品の撮影を積極的に誘致してきたニュージーランドでは、これまでも『ラストサムライ』『ナルニア国物語』『アバター』『ピアノレッスン』『世界最速のインディアン』など、数多くの映画が撮影されてきたが、その中でもLOTRシリーズの成功は、ニュージーランドに大きな経済効果をもたらした。
撮影地ニュージーランドでは、公開から20年以上たった現在でもなお、LOTRの世界を堪能できるツアーが多数催行されている。日本を含む世界各国から観光客も集まる。ニュージーランド政府が実施した2019年国際訪問者調査によると、国外からの観光客の18%が、ニュージーランド訪問に興味を持ち始めた理由としてLOTRや『ホビット』シリーズがきっかけだったといい、約33%が映画のロケ地を実際に訪れている。
LOTRの公開20周年を記念して、2021年12月10日には撮影場所となったホビット村で、オセアニア初となる、映画『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』4K野外上映会などのイベントが開催された。その様子はどんなものだったのか、そして『LOTR』シリーズがもたらしたものは何だったのか。ホビトン・ムービーセットのある農地を所有する創設者兼CEOのラッセル・アレクサンダー氏に話を聞いた。
ロード・オブ・ザ・リング公開20周年
――2021年12月10日にはLOTR公開20周年をお祝いしたイベントが行われたそうですね。
おかげさまで、今までわれわれが過ごしてきた旅路を振り返るような、非常に素晴らしい日となりました。あれから20年も過ぎたのか、という思いとともに、最初にこのホビット村を作り始めた時からの、いろんなことを振り返っていました。もちろんここ数年はコロナのことがあったんで、今までのように素晴らしい年だったとは言い難い部分もあるんですが、基本的には、おかげさまで20年間、素晴らしい年月を過ごさせていただいたなと思っています。
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