「人に誇れる趣味」を探す共働き30代に欠けた視点 他人に「これやっています」的なアピールは不要

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理想は、始めから仕事と趣味を含めた人生のアクティビティを両立させて、というかたちなのでしょうが、いかんせん、少なくとも私はそんなに器用ではありません。とはいえ、ダラダラと中途半端な状態の仕事を継続したくはなかったので、仕事や仕事に関わる勉強にまずは注力した、という次第です。

誰よりも多くの時間を投入し、濃い経験のできる場に自分を置き、なるべく早いうちにキャリア上の基盤や軌跡を築き上げたかったのです。

そのため、始発出社、早くても終電退社、週6日勤務、帰宅後数時間は勉強……などということをやり、その過程で文字どおり、血を吐いて倒れたりしながらも、膨大なインプットを自らに課していたというわけです(誤解のないように申し上げると、あくまでも私のケースであり、当然ですがこのようなやり方を皆さんにお勧めするものではありません)。

詳細は拙著『非学歴エリート』などを参照いただくとして、そのようなインプット中心のフェーズを経て、自分で満足のいく仕事ができるようになる目標の年齢が、私にとっては35歳であったゆえに、そのような人生計画に基づいて行動をしてきたのです。

自身の嗜好に合わせ個人でやるもの

したがって、ご質問の「きっかけ」について申し上げると、ご自身のキャリア観やキャリアゴールに照らし合わせた際に、今の自分がインプット中心なのか、アウトプット中心なのか、そして今はどちらに注力するべきなのかなどを考え、そのタイミングを考えるのがよろしいと思います。

ですから、35歳などという年齢基準ではありません。

ヒトによってキャリアにおける蓄積スピードや、ゴールが異なりますから、そのタイミングはあくまでもご自身の現在の立ち位置により判断すべき、ということです。

では、何をするかということですが、まずおっしゃっている「仕事と両立ができる」は正しい考え方ですが、「人に誇れる趣味」という部分は不要だと考えます。

そもそも、趣味とは「やらなくてはいけない仕事」や「他者とのつながりのなかの仕事」とは異なり、「やらなくてもよいものを、自己の嗜好に合わせてわざわざ個人でやるもの」だと私は考えます。したがって、他人に向かって「これやっています」的なアピールは不要ですし、そういった見てくれや見栄えを気にしてやるようなものではないと思うのです。

そのうえで、いくつか「長続きさせる」という視点に立ったときのポイントを、あくまでも個人的な意見ですが、挙げるとすると、以下のような感じになると思います。

・多くの時間とお金をかけずにできること
・1人でもできること
・年齢を問わずできること
・天候に左右されないこと

もちろん、趣味や遊びを1つに絞る必要はありませんから、上記すべてを満たす必要はありません。

次ページ趣味が長続きする4つのポイントとは
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