「人に誇れる趣味」を探す共働き30代に欠けた視点 他人に「これやっています」的なアピールは不要

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1点めは「長く継続させる」「仕事と両立させる」ということを考えると、もはや説明は不要だと思います。自分の身の丈にあった時間とお金の使い方をしなければならないというのは、趣味だけに当てはまることではないでしょう。

2点めの「1人でもできる」ですが、これは社会人の趣味や遊びとしては非常に大切です。何故かというと、大勢が集まることで成立するような趣味だと、やはり忙しい社会人のことですから、どうしても時間合わせなどに手間取ってしまいがちで、また転勤や何やらで途中で離脱することも十分に考えられますから、継続できないリスクが高いのです。

もちろん前述のとおり、そういった趣味のほかに1人でもできる趣味があればよいのですが、複数名でやることが前提の趣味1本では、やはりリスクは高いと言わざるをえません。したがって、1人でもできることを身につけるというのは大切なことなのです。

趣味で「人生の幅や視点を広げる」

3点めの年齢を問わず……の箇所も、「継続させる」という視点では説明は不要かと思います。

さらに言うと、年齢や性別を問わない趣味を持つことは、自分とは異なる世代・性別の人たちと会話できるきっかけになる可能性もありますから、「人生の幅や視点を広げる」という意味においても大切です。

そして、天候に左右されないというのも、ポイントです。社会人ですと趣味や遊びに費やせるのは、やはり週末や休日ということになるでしょうから、そのときに例えば雨だからやることがなくなってしまった、という状況を避けたいわけです。ただし、これも先ほどと同様で、雨や雪でもできるような趣味を少なくとも1つは持っておくことで、天候リスクへの備えにもなると思います。

もちろん、これらがすべてというわけではありませんが、あくまでも趣味や遊びの対象を考える際の1例という意味で、挙げてみました。KTさんにおかれましても、そのような視点を持ちつつ、自分なりの趣味を探されるとよいのではないでしょうか。

何はともあれ、まずは調べたり、試してみたりということを繰り返して、ご自身が夢中になれる対象を探すのがよいでしょう。繰り返しになりますが、他人の視点やどう思われるかは気にする必要はありません。

仕事とは異なり、趣味や遊びは完全にプライベートなアクティビティですから、ご自身の気持ちの赴くままに対象を探し、夢中になればよいでしょう。KTさんはまさに30代半ばとのことですので、これから長い人生が待っています。この先によりよい人生を歩むべく、夢中になれる対象に巡り合えるとよいですね。

そういった「人生の伴侶」である趣味や遊びの対象にKTさんが巡り合うであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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