実家に来ない息子夫婦、不満が憎しみに 気持ちを伝えられずに苦しむ日々

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もう一人の清美さん(仮名)の息子夫婦はこの7年間、ほとんど実家には来ず、たまに来てもお嫁さんは台所には入ったことがなく、お客様然として座っているのだそうです。腰のまがった姑が嫁の分まで食事の支度からお茶まで供するのだそうですが、「忘れた頃に来る永遠のお客さん夫婦」だとあきらめているとのこと。

二人は一見、物わかりの良い親のようですが、私は少し違和感を覚えます。まずはこのようにしてほしい、あのようにするのはどうかと、一度は話し合ったり教えたり、こちらの希望を伝えるべきだと思うのです。多くの息子はいつまでも親は元気だと思いこみ、自分が親に何もしなくても親は解ってくれていると錯覚しがちで、息子の妻もそれに従うだけです。

結婚すれば親子でも言葉や行為が必要なことや親の希望を、きちんと伝えるべきです。陰で愚痴る人ほど「そんな当たり前なことを言ってまではしてほしくない」といいますが、親はいつまでも若くて元気だというイメージを持つ息子には、その当たり前さえも教えられないと解らないのです。

親の願いを明確に子供に伝えましょう

佐田様、私でしたら息子夫婦を呼び出し、あるいはこちらから訪ねてでも、こちらの気持ちを伝えます。あまりにも息子の勉強優先で、物心ともに余裕のない生活だったため、親子関係が希薄になったのか心配していること。でも息子は昔も今も、自分にとってはとても大切な存在であること。

息子たちの忙しさを思いやり、ずっと音信不通でも邪魔にならぬよう我慢してきたこと。でも、もう少し食事を一緒にする機会や孫をみたいこと等々、相手の不義理をなじるのではなくて、あくまでこちらの希望として、一度だけ伝えます。二人を前に話すほうがいいです。効果がないからと繰り返し伝えると小言になりますが、一度は言うべきです。

それで何も変わらなかったら息子は社会に返したか、悔しいけれど、一時期は一緒に夢を見させてくれた大切な人が見事に巣立ったと、私なら切り替えに努めます。人生は予期せぬことも多々ありますし、自分の子供が大きくなるにつれて、老親を思いやるようになる人も少なくありません。

それに、親に滅多に連絡できないほど忙しい生活なんて、この時代にはあり得ません。幾つになっても親は親です。教えること・伝えること・願い・小言・執念などを注意深く区別して、自信を持って堂々と息子さんに話しかけるべきです。息子さんは前だけを見て振り向く余裕がないだけで、便りのないのがいい便りと、暢気に構えているだけかもしれませんから。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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