ヤフー小澤流は、「渋いギタリスト」を目指す 小澤隆生×瀧本哲史 対談(下)

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小澤:コミュニケーションをこじらせると、やりたいことができなくなる。その意味で最大限、コミュニケーションに気を使うべきだと思っています。プレゼンテーションとコミュニケーションは両方ともとても重要です。だからまずは自分がやりたいことを理解していただく。その上で、上手なコミュニケーションで動いていただくということです。

といっても、部下にはすごく厳しいですよ。高い水準を求めますし、常人の感覚を超えてとことんやらなきゃいけないと思っていますから。自分でも律するわけです、最初は。できあがってきたものが、もしくは部下が上げて来たものが水準に達しないと、何度も言葉で説明するんです。でも、だんだん言葉がきつくなってくるわけです。「なぜわからないんだ!」と(笑)。

瀧本:結果を出すことを考えた時には求めるものが厳しくならざるを得ない、ということですよね。

10人でテストをするのが普通なら、100人でやる

小澤:たとえばユーザーの目線にどこまで立って考えました、というと極めて定性的な言い方ですよね。「ユーザーの目線に立ちました」じゃダメなんです。10人でテストするのが普通だとすれば、100人でやろうよというのが、僕のやり方です。これが身についてくると仕事のレベルが確実に上がるんです。楽天イーグルスをつくった時の部下が、みんなとは言わないですけど、何人かが起業してうまくいっている。あの時、僕も含めて水準がガンと上がったんです。それを経験則として知っているので、どうしても厳しくなるんですよ。

瀧本:京大でもそうですが、大学では、同じ研究室から高い業績が連続的に出る。高いレベルの仕事をしたチームとかグループは、非常に強いように思いますね。

小澤:確実にそれはあります。だから今のヤフー・ショッピングでできる限りの経験をさせてあげたいですし、それによってヤフー・ショッピング自体のレベルも上がります。その個人個人がヤフーを辞めても、通じるようになります。ものすごくきつい仕事をやったチームは、そこの1人1人のレベルが一気に上がる。しかも短期的にやることが重要です、できるだけ。2年ぐらいでぎゅっとやっちゃうといいんじゃないかな、と思いますね。

瀧本:小澤さんもかつて、誰かのもとでそうしたレベルアップの経験をしましたか。

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