新型コロナが「不安」と答えた学生のコメントを読むと、周囲からの声に流されているように見える。
「コロナになるとすべてが止まるが、待ってはもらえないという」(文系・その他私立大)や、「就活が難航すると聞いていた」(理系・その他国公立大)というコメントがあるが、多分、先輩や友だちとの会話で聞いたのだろう。
単に「不景気だから」(文系・上位私立大)と書く学生もいる。確かに、観光・運輸・外食などの産業が不調であることは毎日のように報道されているが、製造業のなかには好調な産業もあるので、自分の就活を「不景気」の一言で形容することに違和感を覚える。
就活では家族の意見があてにできないことが多い。親の世代と産業や社会の構造が変わっているからだ。コロナ禍でも「大変だ」「頑張れ」とあおる親がいるようだ。
「家族や友人からコロナ禍での就活は大変という話を何度も聞いていた」(理系・旧帝大クラス)
「家族が大変だとあおり、急かすから」(文系・早慶大クラス)
オンラインで競争激化?
学生が楽観する理由として、「オンライン化による効率性」を前述した。多くの企業の採用イベントに応募できるのだ。この「多くの企業に応募」を逆方向から眺めると、「倍率アップ」「競争激化」ということになる。
「オンラインだと移動の時間や旅費が削減でき、時間を有効活用できるので、人気企業にはライバルの就活生も多く集まりやすいと感じた」(理系・その他国公立大)
「オンライン選考で全国から応募が集中し、競争が過熱化した」(理系・旧帝大クラス)
もう1つは「募集人数の縮小」だ。確かに運輸業や観光業では大幅に縮小されている。もしこういう業種を志望しているなら就活の成功はおぼつかない。就活のスタート時点でキャリアセンターなどに相談し、自分の就活志望を点検する必要があるだろう。
「募集人数が減る可能性がある」(理系・その他私立大)
「採用予定人数が明らかに減っている」(理系・その他国公立大)
「採用が中止になった企業も多かった」(文系・早慶大クラス)
「採用人数が減少し、留学中止などにより就活生が増加したため倍率が高まった」(文系・旧帝大クラス)
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