「わずか8カ月」で出戻り転職した30歳男性の結末 体を壊して退職したが…迎えた意外すぎる展開

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「上司からは『大黒柱だったから本当に助かる』と何度も言われました。これまで言われたことのない言葉だったので、『え、俺って大黒柱だったの!?』って正直とても戸惑いました。でも、言われるうちに『もしかしたら僕自身が、その言葉を寄せ付けない雰囲気を出してしまっていたのかもな』って思うようになりましたね。

そうやってコミュニケーションを重ねるなかで、上司に対する考え方も変わって。以前は、仕事の依頼が嫌がらせだと感じてしまっていたんです。僕にだけ仕事を振ってくるというか。でも、他の人にはできない作業だったり、自分が得意な業務を依頼してくれていると気づき、頼ってくれているんだな、と素直に思えるようになりました」

退職・出戻り転職をきっかけに感謝や称賛の言葉をもらうようになったというのは、なんとも日本人らしい話である。

心境が変わったことで、和宏さんの働き方にも明確な変化が生まれた。無理に仕事を受けず、自分の心身を気遣えるようになったのだ。

「仕事を断ることができるようになったのが大きな変化ですよね。前は断るという選択肢が僕の中にはなくて、依頼されたからにはやらなきゃって思ってたんですよね。でも、スケジュールやタスク量的に無理な場合は断るようになりました。

断って気づいたのが、自分ができない場合は他の人がやれるってことです。依頼する側はやれるかどうかを確認してくれていただけなのに、なんでNoと言えなかったんだろう、と今は思います」

体を壊して退職した経緯もあるため、周囲も仕事量には配慮をしてくれているようだ。和宏さん自身の変化も大きいが、もしかしたら、和宏さんという戦力を失ってから、周囲も反省したのかもしれない。

エンジニアという仕事への情熱を再確認

また、出戻り転職をしたことで、自分の中で新たな気づきがあったことも、和宏さんにとって大きな収穫だったようだ。

「仕事を休んでいるとき、ずっと、いろんなサイトを見たり、ゲーム会社の開発チームのブログを読んでいたんです。毎日、何かしら技術に関することを考えていました。そうするうちに、あるとき、『仕事じゃなくても考えてるな自分……』『それって、この仕事が好きってことだよな』と気づいたんです」

次ページ転職も無駄ではなかった
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事