「わずか8カ月」で出戻り転職した30歳男性の結末 体を壊して退職したが…迎えた意外すぎる展開

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しかし、フリーランス人事としてさまざまな会社を見てきた筆者としては、会社サイドには悪意はなかったと推測する。それどころか、きっとただ単純に、すぐに用意できるPCがそれだったのだろう。

数年おきにPCを買い替えるのは、会社にとって決して軽い負担ではない。だからこそ、一括購入やリース契約する際に、エンジニアやデザイナーが使うには若干心もとないスペックの機種が一定割合で紛れ込むのだが、貸与する側にその感覚がないことも少なくないのだ。和宏さんの場合も、会社側は持ち運びのしやすさを評価したり、急な出勤などが発生した場合の利便性もあると思っていた可能性すらある。

とは言え、今の時代にCore i3というのはなかなか珍しい話だとは思うが……。

元同僚から突然のメッセージ

こうして、大小さまざまな不満を募らせていった和宏さんだったが、ある日、A社時代の同僚からこんなメッセージが届くことになる。

『最近どう? 体調は良くなった? 最近また人手が足りなくてさ……。部長と話していて、和宏の名前もよく出るんだよね。どう、そろそろ戻ってこない?』

人当たりの良い和宏さんは、退職には至ったものの、上司から「体調が良くなったらいつでも帰ってきてね」と言われるほどの良好な関係性を築くことができていた。B社の社風には合わないと確信していたこともあり、元同僚の誘いに乗る形で面談を申し出ると、なんと3日後にはZoomで面談することに。

「どんな空気になるか心配だったんですが、僕の顔が写った瞬間、上司が『わ、本当に三島くんだ!』と笑顔で喜んでくれたんです。おかげで、不安は一気になくなりました。その場で内定となり、B社は、試用期間内で退職することになりました」

極端に早いスピード感も、出戻り転職ゆえだろうか。

そして、仕事に適応するのが早いのも、出戻り転職の特徴だ。「復帰初月から普通に仕事をしていた」そうだが、その間に和宏さんが感じたのは、周囲からの感謝の声だった。

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