中国の産業政策を所管する中国工業情報化省は11月30日、第14次5カ年計画の期間(2021~2025年)を対象にした「ビッグデータ産業」の発展計画、および達成すべき目標値を公表した。
それによれば、中国のビッグデータ産業の市場規模を年率25%前後のハイペースで成長させ、2025年までに3兆元(約53兆円)の突破を目指す。規模を大きくするばかりでなく、イノベーション能力が強く、付加価値が高く、(中国独自の知識財産権などを蓄積して)他者にコントロールされない産業体系を形成するとしている。
なお、ビッグデータ産業の定義については、データの生成から収集、保存、加工、分析、関連サービスまでを包括した経済活動であるとした。より具体的には、データのリソースの形成、ビッグデータを処理するためのソフトウェアおよびハードウェアの開発・販売・リース、それらに関連した情報技術サービスなどが含まれている。
政府による管理・監督の仕組み作りも
中国のビッグデータ産業は、これまでも急速な成長を遂げてきた。工業情報化省情報技術発展司の司長(局長に相当)を務める謝少鋒氏によれば、第13次5カ年計画の期間(2016~2020年)の年平均成長率は30%を上回り、2020年の市場規模は1兆元(約18兆円)を超えた。
同省は今後、データ資産の権利、その取引と流通、データ・セキュリティなどに関する制度の整備や標準化に取り組み、市場メカニズムに基づく価格形成の促進や、政府の管理・監督の目が行き届くデータ関連市場の仕組み作りを進める。
謝氏によれば、すでに北京市と上海市に「ビッグデータ取引所」が設立された。工業情報化省はさらに、産業分野別のビッグデータ・プラットフォームを構築し、データの資産化と商品化を進める計画だ。その対象になる重点産業として、通信、金融、医療、交通、都市の治安管理、信用情報、社会保障など12分野を列挙した。
(財新記者:何書静)
※原文の配信は11月30日
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