日本初?「漫才授業」で学校を沸かす芸人の正体 「アンダーエイジ」が岩手に移住した深いワケ
吉本が作る「新たな教育機関」
2021年11月1日、吉本興業の東京本部で、あるプロジェクトの記者会見が開かれた。
岩手県紫波町と「株式会社オガール」、そして吉本興業の3者が連携。同町で来年3月に閉校する小学校を利用し、地域再生に必要な人材の育成を目指す新たな教育機関「吉本・オガール地方創生アカデミー」(2023年開校予定)設立に向けての記者発表だった。
紫波町では2009年から約7年がかりで、財政難から開発計画が頓挫した「紫波中央駅」前10ヘクタールの町有地を、地元企業の協力を得て、「PPP」(パブリック・プライベート・パートナーシップ=公民連携)の手法で再生させた。
地元の言葉で「成長する」という意味の「おがる」と、フランス語で「駅」を表わす「Gare」(ガール)から名付けられた、この「オガール」プロジェクトは、それまで10年以上、塩漬け状態になり、「日本一高い雪捨て場」といわれていた遊休地を、図書館や産直センター、宿泊施設などを備えた新たな街に生まれ変わらせたのだ。
2016年のフルオープン以来、年間約80万人が訪れ、他の自治体などからの視察が3年連続で全国1位となったオガールは、「PPPのお手本」ともいわれるが、その街を運営する「株式会社オガール」が、今度は吉本興業と手を組み、紫波町内で新たに創ろうというのが冒頭の「アカデミー」である。
会見では、「アカデミー」創設に向けての、同町とオガール、吉本の3者による包括連携協定が締結されたのだが、この会見の進行役を務めたのが、紫波町からほど近い花巻市出身で、「岩手県住みます芸人」として活動する熊谷由輔(39歳)と、結城多聞(39歳、山形市出身)のコンビ「アンダーエイジ」だった。
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