元寇「蒙古は神風吹く前に撤退決めた」驚きの事実

日本の反撃に貢献した対馬、壱岐での前日譚

元寇について解説します(写真:freehand/PIXTA)
歴史の教科書にも登場する「元寇(げんこう)」。鎌倉時代末期、二度にわたってモンゴル軍が日本に襲来した事件だ。神風が吹いて切り抜けた――。そう伝えられることが多いが、本当なのか。
その真相と壱岐、対馬における前日譚を、東洋経済オンラインで「近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体」を連載する真山知幸氏が解説する。
※本稿は真山氏の新著『泣ける日本史 教科書に残らないけど心に残る歴史』から一部抜粋、再構成したものです。

守護代のところに行くと不穏な空気

福岡県と対馬の中間地点に位置し、玄界灘に浮かぶ壱岐島。対馬海峡に対馬暖流が流れるため温暖な気候で、夏は涼しく冬は暖かく過ごしやすい。

のどかな緑の山々を眺めながら、宗三郎(注)が口笛を吹いて歩いていると、せっせと働く若い夫婦の姿が見える。壱岐島は、高低差が少なく平坦な地形なので、田畑として活用しやすいことで知られている。

(注)宗三郎は壱岐島の守護・平景隆の家臣。詳しい経歴は不明だが、元軍が攻めてきた際、景隆より姫を託され、その戦況を伝えるために太宰府まで遣わされた

「もう稲刈りの季節か。早いものだな」

文永11(1274)年10月、時は鎌倉時代。宗三郎は、主人である守護代の平景隆のもとへと向かっていた。秋風が優しく頬をなでる。何一つ変わらない、平和な島の一日が今日も始まる。

そんなふうに思っていたが、景隆のところに行くと、何やらみながざわざわしており、不穏な空気が流れている。

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