7月後半から続いたいわゆる新型コロナウイルス感染の第5波は、8月後半以降急速に収束に向かった。その背景の1つに、国内でワクチン接種が進んだことがあげられるだろう。
ニッセイ基礎研究所が2020年6月から定期的に実施している「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」によると、2021年7月初旬(7月5日~7日に調査実施)に、新型コロナウイルスのワクチンの接種を希望していなかった人のうち、49.8%は9月末(9月22日~29日に調査実施)においても接種を希望していなかったが、36.8%は9月末までに接種、または接種予約をするなど接種に向けて行動をおこしていた。
感染の第5波では、ピーク時には、1日の感染者数が連日2万人を超え、自宅療養中に亡くなった人や病院に搬送できなかった人がいたことが多く報じられた。また、若い人や基礎疾患を持たない人の感染や重症化も報じられた。こういった感染の拡大にともなう不安もワクチン接種を後押しした可能性がある。
7月時点で接種を希望していなかった人のその後
そこで、本稿では、7月調査で接種を希望していなかった418名のうち、9月調査でも接種を希望していなかった208名と、9月調査までに、接種または接種予約をしていた154名の感染に関する不安にどういった違いがあったのかを紹介する。
まず、7月調査と9月調査の両方に回答をした2347人について、ワクチン接種状況・意向を図表に示す。
ワクチンを接種、または予約をした人(「二回目まで接種を完了している」「一回目の接種は終えている」「一回目の接種予約は完了し、接種日を待っている」)は、合わせて7月の37.3%から9月の81.5%に大幅に上昇している。
ワクチンは、年齢が高い人から順に接種予約できた自治体が多かったため、接種は高年齢ほど先行している。
(※外部配信先では図をすべて閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
■7月調査、9月調査におけるワクチン接種状況・意向
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