「部下こそ味方にすべき」成功する人の賢い戦略 「誰にも頼らず、頼られない」から脱却しよう

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここからが重要です。ポイントは利己的な欲求を満たそうと思えば、実は利他的な欲求を満たすことが近道であると理解させることです。

お金を稼ごうと思えば、誰かの役に立たなければもらえるお金は増えません。休みや労働時間を確保したければ、誰かの役に立てば立つほど、短い時間で成果をあげられるようになります。

利己的なだけではその欲求を満たせない

皮肉なことに、利己的な「だけ」の人は、利己的なままだと利己的な欲求を満たせません。これはビジネスの真理です。ビジネスの根本は人の役に立つことによって経済的な対価を得ることですから、利己的な人は実は利己的なだけではその欲求を満たせないのです。

長い目で見て、本当に利己的なままでいいのかを考えていくと、利他的な欲求を満たしていくことが合理的であるということに必ずなります。

そこまで持っていけるかどうかが、仲間づくりのキモです。具体的にみてみましょう。

例えば、「この仕事をすれば稼げるよ」「異性からモテるようになるよ」「みんなから信頼される人になるよ」「休みをとっても文句を言われない生活ができるようになるよ」。

仲間づくりがうまいリーダーは、この「利己的欲求」を満たす言葉選びが巧みです。人は利己的欲求を満たしてくれる言葉に弱いのです。世のビジネス書やYouTubeの人気コンテンツなどは、ほとんどがこの技術を使っています。「楽して稼げる!」「カンタンに人間関係を改善できる!」、利己的な欲求を満たす言葉であふれています。

皆さんもこの技術を使わない手はありません。本当に欲しいものであれば、部下は反応するはずです。大事なのはむしろ、「部下が本当に欲しているものが何か」を把握することができているかです。

実は、利他的欲求が強い人を巻き込むのはカンタンだと述べましたが、利他的な人ほど利己的な欲求を引き出すことが重要です。

口では利他的欲求だと謳っている人が、強烈な利己的欲求の持ち主だというケースは少なくありません。そこに気付かず、利他的な欲求だけで仲間にしようとすると、失敗してしまいます。

利他的欲求が強いなと思ったときほど、改めてその人の「利己的欲求が何か」をつかみにいくべきです。お客様のためになりたい、社会の役に立ちたいなら、それによってあなたの部下の利己的な欲求はどう満たされるのか。ここに目を向けないと、仲間になったつもりが、表面的な薄っぺらい関係になりがちです。

利害が一致しているように見えて、実はまったく一致していないのです。利己的欲求と利他的欲求の両方を引き出してこそ、仲間づくりがうまくいきます。あなたは、あなたの部下の利己的欲求と利他的欲求の両方を把握できていますか? それらが把握できれば一緒に目指せばよいのです。

ステップ3・・・一緒に喜ぶ

3つめのステップは、「一緒に喜ぶ」です。「すごいね!」「よくできたね!」「うれしいよ!」とあなたが一緒に喜んであげるのも大変有効ですが、一番効くのは「相手の陰褒め(かげぼめ)」を伝えてあげることです。

次ページ相手を喜ばせる「陰褒め」のテクニックは?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事