「部下こそ味方にすべき」成功する人の賢い戦略 「誰にも頼らず、頼られない」から脱却しよう

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では、どう関われば、共に同じ目標を目指す仲間になってくれるのでしょうか?

部下を仲間にするには、3つのステップが必要です。

ステップ1・・・目的を示す

ステップ2・・・利害を一致させる

ステップ3・・・一緒に喜ぶ

1つずつ見てみましょう。

ステップ1・・・目的を示す

あなたは部下に目的を示していますか? ここでつまずく人があまりに多いのが実情です。目的を示せない人は、目的には「根拠が必要」だと思いすぎる傾向があります。

あなたはどうでしょうか? なぜそれを目指すのか、どうしたらできるのか、「根拠」が見つからないことが原因で、目的を示すことができない――。しかし、目的に根拠は必要なのでしょうか。

「海賊王に、オレはなる」

「全国制覇するぞ」

アニメの主人公の目的に、実は根拠はありません。なぜ、とか、どうやって、と考える前に「絶対になる」と決めている。それがスタートラインです。

あなたも、どんなことでも、根拠なく目的を掲げて構わないのです。「エリアで1番になる」「お客様が100人いたら、100人に喜んでもらうサービスにする」「契約率30%を超える営業マンになる」。自分が目指したいと思うものを示すと、周りは応援してくれるようになります。

何らかの目的がないと仲間は集まりません。まずは目的を示しましょう。

利害を一致させることが仲間づくりには重要

ステップ2・・・利害を一致させる

そのうえで、部下と利害を一致させます。仲間づくりにおいて、利害を一致させることは極めて重要です。そのためには、欲求を2つに分けて考える必要があります。

利己的欲求・・・自分が認められたい、自分の都合を優先したい

利他的欲求・・・相手に喜んでもらいたい、人の役に立ちたい

あなたの部下は、どちらの欲求が強いですか? 利他的欲求が強いなら、仲間にするのは比較的カンタンです。どうやって顧客に喜んでもらうか、どうすれば人の役に立てるかを話し合い、共通の目的になれば、あとは役割分担をして一緒に目指していけます。

難しいのは、利己的な欲求「しか」ない人です。自分のことにしか関心がなく、与えられた仕事はやるけれど、それ以上はしたくない。顧客の役に立つかどうかよりも、自分の休みや労働時間を優先する。こういう部下のほうが実際には多いでしょう。

利己的な部下に利他的な目的を伝えても、まったく響きません。では、どうするかというと、ズバリ、「利己的な欲求を満たす方法」を共有することです。お金を稼ぎたいなら、どうすれば稼げるのか。自分の休日や労働時間を守りたいなら、どうすれば守れるのか。その具体的な方法を共有します。

次ページ「利己的欲求」と「利他的欲求」を考える
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