お客様視点のモノづくりに徹する--伊奈功一・ダイハツ工業社長

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 --期央に政府のエコカー補助金が切れます。

補助金失効後に新車販売が大変落ちこむんじゃないかと危惧しています。今回のような補助金があって、それが切れたという経験が業界にありませんので、どれくらい落ちるのか分かりません。今、販売現場と一緒になって対応策を練っています。

--軽自動車の補助金は普通車に比べ絶対額で少なかったことから、補助金切れはむしろ軽自動車にとっては追い風という見方もありますが。

そういう見方もあるでしょうが、車全体の販売が落ちこむ影響のほうが大きいと思っています。

--アジア事業についてお伺いします。ダイハツは以前からインドネシアやマレーシアで一定のプレゼンスを獲得しています。特にインドネシアはネクスト新興国としての注目も高まっています。

ダイハツはインドネシアとマレーシアに軸足を置いてやってきました。われわれ、ここに最大限の力を注いでいきたいと思っています。特にインドネシアは調子がいいですし、現在、21万台くらいの生産能力があるのに対して、27万~28万台まで来ています。今後の市場成長に対して、めいっぱい対応していきたい。マレーシアもまったく同様です。

 それ以外の国は、はっきりいってまだ、どこをどうしようという話はありません。ただ、イースのような非常な低燃費のエンジンをもっているということは必ず新興国にも展開できると思っています。できるだけ早い内にイースみたいなものを立ち上げて、その技術を使って、新興国にいろんな形で展開できれば。もちろんエンジンが660ccですから、まるっとそのエンジンを持って行けばいいわけではないが、800とか1000とかなったときにその技術のどの部分を持って行けばいいかは地域によって異なる。そういうのをやりながら、ガソリンエンジンで新興国に展開していくつもりです。いずれにせよ調査中です。

--ダイハツも中国では苦戦し、去年、戦略の軌道修正もしましたが。

結局、中国は、一言で言うと力がなかったと思っています。商品の力、作る力、売る力。今度出すイースみたいな新しい技術を持って--新興国で本当に認められる商品をまず持つことが大事で、それを日本で確立して、それを新興国に展開していこうという形です。 

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