一流になる人、二流にとどまる人の決定的な違い 佐渡島庸平×澤円「仕事には「型」がある」
佐渡島:だから、教える立場になって、いろいろな場所で講演をしたり、講義をしたりする仕事にも呼ばれるわけですもんね。
澤:その通りです。
「他責思考」から「自責思考」に変換する
――他にも、一流クリエイターになる人の条件をあげるとすれば、どんなことがありますか?
澤:セルフ・コントロール、特に、自分で自分をご機嫌にする能力を持っていることでしょうか。
自分もご機嫌だし、他人もご機嫌にしちゃう人。「この人と一緒に働くと楽しいな」と思ってもらえる人になると、成果も出やすくなりますからね。
常にご機嫌でいるためには、自分から周りの人をご機嫌にしにいくのが一番効果的。僕自身は難しい案件を成し遂げ、お客さまと一緒に喜び合う経験を積み重ねるうちに、「自分は他人との共創によって確実にハッピーになれるタイプだ」と学びました。
佐渡島:澤さんは20~30代の頃は、いつもご機嫌で過ごせていましたか?
澤:いいえ、全然(笑)。こんなこと言っておいてなんですけど、うまくいかないことばかりで常に不機嫌でした!
自分がこうやってストレスを感じているのは、世の中のせいだ、職場のせいだ、環境が悪いんだ、とか言って、全て何かのせいにしていました。
――澤さんがそこから変われたのはなぜだったんですか?
澤:端的に言うと、仕事が猛烈に忙しくなったことがきっかけ。もうね、忙しくてマイナスなことを考える余裕すらなくなった時期があったんですよ(笑)
人のせい、環境のせいにしてるうちは、暇だったんでしょうね。忙しく働くようになると、他責思考の癖はいつの間になくなっていました。
佐渡島:忙しさもよく「悪」のように言われるけれど、仕事ばっかりしているような猛烈に忙しい時間って、他責思考から自責思考に変換するきっかけをくれるんですよね。
やることが多い状況で頭を使っているときは、不思議と他責思考になりにくい。
最近は社員に長時間働かせない会社が多いので、なかなかそういう機会を得られないかもしれませんが、必死に何かに打ち込んでる人って、言い訳しないなって思います。愚痴れるうちは、まだ余裕があるというか。
澤:漫画家の西原理恵子さんは「人のことを憎み始めたら暇な証拠」と言いましたが、その通り。本当に忙しかったら、そんなところに脳のCPUを割けないはずですから。
自分がコントロールできることに集中し、他者に貢献する。そうするとたくさんの人が喜んでくれるし、自分もご機嫌になれます。
一流のクリエイターを目指したいなら、まずは「ギブすること」自体に喜びを見いだせる人を目指してもらえたらと思いますね。
(取材・文/一本麻衣 編集/栗原千明)
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