一流になる人、二流にとどまる人の決定的な違い 佐渡島庸平×澤円「仕事には「型」がある」

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佐渡島そもそも偉大な会社とは、仕事を「誰にでもできる作業」にするのが得意な企業です。

大手企業で働くことを一流と思ってる人もいるかもしれないけれど、大手の中にいればいるほど、やってることは「作業」にすぎないことだったりしますよね。

例えば、マクドナルドやセブン‐イレブンのような大手企業がここまで大きく成長できたのは一体なぜか。それは、仕事を「誰でもできる作業」に落とし込むのがうまかったからです。

「この人じゃなきゃできない」というようなクリエイティビティーをなるべく排除し、誰がやってもできるような仕事へとマニュアル化していく。

会社の中では「属人化は悪」のように語られたりしますしね。

佐渡島ええ。確かに、企業の成長を支えるという意味では、属人化を排除して、仕事を作業化していくことは「悪」ではありません。それに、働く人にとっても、そこで「仕事の型」を学ぶことには一定の価値があります。

ただ、そこに安住している自分に、「疑いの目」を入れないと、気付いたときには作業しかできない、つまり二流のまま年齢を重ねることになってしまうと思うんです。

会社の中にいたとしても、「自分にしかできないことは何か」は考えた方がいい。

その通りですね。

クリエイティビティーを発揮したいのに、発揮できていない自分に気付いたら、転職なり、独立なり、一度環境を変えてみるといいかもしれない。

自分は今どういう場所にいて、どういう状態か、俯瞰してみることから、「一流」への道が開けると思います。

一流の仕事には「型」がある

株式会社コルク代表取締役社長 編集者 佐渡島庸平(@sadycork)
東京大学文学部を卒業後、講談社に入社し、『モーニング』編集部で井上雄彦『バガボンド』、安野モヨコ『さくらん』のサブ担当を務める。2003年に三田紀房『ドラゴン桜』を立ち上げ。小山宙哉『宇宙兄弟』もTVアニメ、映画実写化を実現。伊坂幸太郎『モダンタイムス』、平野啓一郎『空白を満たしなさい』など小説も担当。2012年10月、講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社・コルクを創業。最新著『観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか』(SB新書)が好評(写真:『エンジニアtype』)

――佐渡島さんの著書『観察力の鍛え方』では、どんな仕事でも「型」を身に付けることが重要だと書かれています。なぜ、一流を目指すには「型」の習得が大切なのですか?

佐渡島料理と一緒ですよ。せっかくいい食材を手に入れても、レシピ通りに作らないとおいしくなりませんよね?

「いいアイデアさえ見つけられれば成功する」と考えている人は多いですが、実はそんなことはないんです。

例えば、漫画家がネームを描いたとして、アイデアはいいのにその面白さが読み手に全然伝わらない、ということがあります。

編集者でも、自分は「いいアイデアだ」って思っているのに、企画が通らない、みんなに分かってもらえない……なんていうことがあると思います。

そういう時はたいてい、相手に伝わる「型」に乗せていないということが伝わらなさの原因であることがほとんどなんですよ。

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