「自分の手柄を人に譲る」人がトクする決定的理由 人生100年時代は善人が報われる「透明化社会」

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スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したときも、せいぜい「パソコンが小さくなったもの」という程度にしか考えられず、まさか片時もスマホを手放せず、スマホがないと生活できない世界が来るとまでは思いませんでした。しかし、イノベーションとは、そういうものなのです。

そう考えると、AI、自動運転、ドローンといった技術が、100年前の第2次産業革命と同じぐらい大きなインパクトを社会にもたらすのは、間違いないでしょう。

生産性が上がると給料が下がるジレンマ

このインパクトは、雇用にも激甚な変化をもたらすはずです。そこから生じるショックでハードランディングとならないようにすることが、大きな課題となるでしょう。

『ライフ・シフト2』のなかに、AI技術やロボット工学が進化すると、タイムギャップが起きるという話がありました。18世紀イギリスで産業革命が起きた際、生産性は上がったのに、給料が上がらない時間が長く続いたと言います。なぜかというと、一瞬、既存の仕事が消滅するからです。

1950年代にも、コンテナ革命という出来事がありました。人間の労働力に頼っていた貨物船への荷物の運び込みが、コンテナの登場によって機械的になった。これで港湾労働者の仕事は一気になくなり、大変な騒ぎになりました。生産性は上がったけれど、同時に雇用がなくなり、給料が減る。こういったギャップはどんな時代でも生じうるのです。

しかしコンテナ革命から70年たったいま、港湾労働の仕事がなくなったと文句を言う人はもういません。同じく、産業革命で仕事を失ったと言う人もいまはいません。時間がたてば新しい仕事が生まれて、解決されるからです。

『ライフ・シフト2』には、40歳のトラック運転手の例があります。自動運転が普及すれば、運転手の仕事はなくなりますが、その先、自動運転のシステム全体をコントロールすることなど、新しい仕事が生まれるでしょう。

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