安河内:私たち塾とか予備校というのは、本来はエクストラ・カリキュラ・アクティビティにならなくちゃいけない。学校で一定水準の英語は勉強します。そのうえでもっとできるようになりたいから塾や予備校に行きますと。
斉藤:それならアリだと思うんですけど、生徒たちをよく見てみると、学校でまともに授業をやってくれないから、塾で主に勉強してるとか、そういう状況を感じますね。
安河内:塾に行かないと合格しないとかね。
斉藤:半分は信用問題もあるんでしょうけど。
音のない教科書なんてありえない!
安河内:私は学校の英語教育の現場も視察して回るようになったんですけど、やっぱりいちばんの問題は、斉藤先生もおっしゃるように「音」がないんですよ。最近はオール・イングリッシュで先生がしゃべってる教室も増えてますけども、教科書は紙であって、先生が教科書を教えて、その教科書を目で見て読めるようになったら「はい、OK」って。耳で聞けなくても、目で見て線を引いたりして、それでOKになることも多いのです。
斉藤:いまだにタブレットなんかは、教科書じゃなくてサブの教材扱いになっていて、検定教科書って紙オンリーなんですよね。
安河内:有識者会議でもそれが話題になったんですけど、楽天の三木谷(浩史)さんが「教科書をタブレットにすればいいじゃないか」と投げかけたとき、私も音がついているのなら、それもアリだと思いました。私の場合は、紙でもタブレットでもメディアはなんでもいい。音がついていれば!
教科書の検定は、紙のものだけ見て「はい、OK」って、音がついてなくてもハンコ押すんです。これ、おかしいですよね。だってこんなに安価でインターネットで音がダウンロードできる時代なのに。
斉藤:いまだに教科書付属のCDは別売りで買わなきゃならないんでしょ。
安河内:先生には供給されるけど、生徒には供給されない。今は参考書でもCDをつけないと売れない時代なんだし、CDなんてそんなに高価なものじゃないんだから、教科書にもCDをつけないと検定通さないくらいでいいと思うんですけど。
斉藤:おっしゃるとおり。
安河内:賛成していただけますか。
斉藤:もちろん、もちろん! 音も大切だし、あとはビジュアルの教材なんですよね。ビジュアルのものだと版権だとか著作権が絡んでくるので、微妙だと言う議論はあるんですけど、オープン・ソースで誰でも使える動画教材とかがあってもいいんじゃないかと思いますねぇ。
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