あなたが「高校数学」であっけなく脱落した根因 量も多く質も高い、「感覚的に中学の5倍」の重さ

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中学までは得意だった数学が、高校から苦手になってしまう人が多いそうです(写真:Fast&Slow/PIXTA)
「中学までは数学は得意だと思っていたのに……。なぜ、高校から数学がわからなくなってしまったんだろう?」。大人になっても数学への苦手意識を持ち続けている人は少なくありません。「どうして高校数学でつまずくのか?」の原因を、Z会東大・京大理系コースの添削者として15年間指導をし、『そういうことだったのか!高校数学』を上梓した石原泉先生にお聞きしました。

なぜ、高校数学でわからなくなるのか?

聞き手K:まず、「なぜ、高校に入って数学で落ちこぼれてしまうのか?」ということについてです。おそらく、そうなってしまった人は、日本に何百万人といると思うんです。そして、自分もそうなんですが、中学まで数学が得意だったのに、高校で苦手になってしまうという人もけっこういるはずです。

石原先生:高校数学は、具体例がなくて定義から記されているものが多いんです。高校数学の教科書を思い出してください。新しい概念もどんどん出てきます。わからない記号とかわからない式の羅列が目に入った時点で、「え、何いってるの?」となって、それを考えているうちに置いていかれる。そういう人は多いと思います。

K:たしかに、よくわからない記号の羅列みたいに見えていました。小学校の算数や中学の数学までは「Aくんは時速何kmで歩いて……」というような現実と結びついていることが多かったんですよね。

石原:中学までは具体的にイメージできるものが多いです。問題文を読めば解き方が直感的にわかる、つまり足し算、引き算、かけ算、割り算をすればいいか判断できるものが多かったです。

K:中学校の数学までだと、図形とかでも、見たことがある形でした。

石原:そうですよね。中学数学はおなじみの正方形とか長方形、台形、平行四辺形、円とかをもうちょっと詳しくやっていきましょうみたいな感じになっていますよね。

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