2030年には50代の3人に1人が一人暮らし--『単身急増社会の衝撃』を書いた藤森克彦氏(みずほ情報総研主席研究員)に聞く


--ヨーロッパでも単身世帯は多いようですね。

北欧や西欧で高い。特に高齢者の一人暮らしが多い。しかし、これは必ずしもモデルにならない。

日本の場合は、特に男性の単身世帯比率が高まる。少なくとも現状の北欧、西欧諸国の姿と30年
の日本の姿は違う。また、日本は支えとなる現役世代の比率が低い。日本は独自に考えないといけない。ただ、北欧、西欧は、高齢者用の住宅が整備されているがゆえの高い単身世帯比率でもある。この点は見習ってよい。

--かねてから高齢単身女性の貧困も問題でした。

これは高齢者用の生活保護制度があっていい。対象者の資力調査を緩和したらどうか。年金制度のなかでは給付と負担に問題があって救済できない。同時に、現役世代が職業訓練期などに利用しやすく、また抜け出しやすい新しい生活保護制度も構築してはどうか。

これまでの日本の社会保障は、家族や大企業がセーフティネットを形成し、その上に公的制度があるという体制だった。単身世帯は家族とのつながりが弱く、非正規就業が多いことから企業のセーフティネットにも弱い。それだけ社会保障が支えになるので、生活保護に対してのニーズも新たに高まってこよう。

(聞き手:塚田紀史 =週刊東洋経済2010年6月19日号)

ふじもり・かつひこ
1965年長野県生まれ。92年国際基督教大学大学院行政学研究科修了、富士総合研究所(現みずほ情報総研)入社。社会調査部、ロンドン事務所駐在(96~2000年)などを経て、04年より現職。07年4月から08年2月まで日本福祉大学大学院非常勤講師。専門分野は社会保障政策・労働政策。

『単身急増社会の衝撃』 日本経済新聞出版社 2310円 383ページ


  
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