2030年には50代の3人に1人が一人暮らし--『単身急増社会の衝撃』を書いた藤森克彦氏(みずほ情報総研主席研究員)に聞く
1985年に789万だった日本の単身世帯は2005年に1446万世帯と、20年間で2倍近くに急増した。今後も全人口が減少しながら、「非婚社会ニッポン」では中高年男性を中心に単身化が急速に進むという。
--単身世帯の比率は、今(最新データは05年)の30%から、25年後の30年には37%にさらに上昇する予測です。
絶対数もさることながら、注目したいのは10歳刻みの年齢階層別の動向だ。今(05年)、男性の年齢階層別で、単身世帯、つまり一人暮らしがいちばん多いのは20代の205万人。女性の場合は70代の139万人だ。
これが30年にはどうなるか。25年間で大きな変化が起こる。男性の中でいちばん多くなるのは50代で、今の133万人から197万人になる。ちなみに60代も137万人から187万人に増える。女性は80歳以上が142万人から214万人で、最多の年齢階層は変わらないが。
--割合でみても著しい変化とか。
年齢階層別人口では、50代、60代の男性が、ともに4人に1人が一人暮らしになる勘定だ。少子化で人数が減っても20代男性の単身世帯比率はそれほど変わらないが、50代、60代ではぐっと高まるのが大きな特徴になってくる。
特に中高年男性の未婚が増えている。その人々が高齢期を迎えた場合、配偶者も子どももいない一人暮らし。日本の社会保障は、一人暮らしという視点からとらえ直すことが重要になってきた。