アメリカの高校生が学校で教わる「お金」の本質 日本の学校では教えてくれない「基本中の基本」

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経済活動を州ごと、地域ごと、国ごとに分析することによって、政府が問題を早期に発見して対策を打つことが可能になる。国の経済活動を示す最も一般的な数字が「国内総生産(GDP)」だ。GDPとは、その国の中で1年に生産されたすべての財(製品)とサービスの総額だ。専門家によっては、GDPだけではその国の本当の生産力はわからないという意見もある。環境の質や、住人の気分など、人間的な価値が考慮されていないからだ。たとえばブータンは、GDPの代わりに「国民総幸福量(GNH)」という数字を重視している。

どんなビジネスであっても、外国の経済情勢の影響を避けることはできない。資材の調達、顧客、金融システムなどで外国との関わりがあるからだ。「グローバルエコノミー」とは、すべての国の経済の全体像や、それぞれの経済の関わり方を意味している。ある大きな経済の国で何かが起こると、ほかの大きな経済の国も影響を受ける。なぜなら、彼らは貿易、投資、ビジネスを通じてつながっているからだ。

アメリカは世界最大の経済大国だ。第2位が中国で、そして日本、ドイツと続く。ヨーロッパ連合(EU)は加盟27カ国のほぼすべてで同じ通貨を使い、経済統合もしているので、EU全体で1つの経済とみなされることもあり、その場合はアメリカと同じくらいの経済規模だ。

アメリカは経済規模が大きいので、多くのビジネスは国内だけで成り立つことができる。小規模ビジネスの多くは、海外市場のことまで考える必要はない。とはいえ、世界の経済のつながりは年々強くなる一方なので、どんな国であっても外国の影響をまったく受けずにいるのは難しい。

「景気がいい」「景気が悪い」とはどういうことか

アメリカは1年間で約18兆ドルの財とサービスを生産している。この18兆ドルという数字がアメリカのGDPだ。これはかなりの大金だ。経済にまったく動きがなければ、GDPはずっと18兆ドルのままだ。成長もしていなければ、縮小もしていない。(出所:「U.S. Department of Commerce, Bureau of Economic Analysis, “National Income and Product Accounts,” November 24, 2015.」)

【2021年8月23日13時50分追記:初出時、GDPの数字に誤記がありましたので修正いたしました】

しかし、ずっと同じという状態で満足できる人はいないだろう。そこで政府は、毎年3%かそれ以上の成長を目指している。アメリカ経済で考えるなら、毎年5400億ドルずつGDPが増えていく計算だ。

ちなみに5400億ドルという数字は、ボーランドや台湾のGDPと同じくらいになる。一般的に、経済が成長すると、雇用が増え、給料が上がり、人々の将来の見通しも明るくなる。

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