かと思えば聖職者らしい、慈愛に満ちたツイートもある。歌舞伎役者の市川海老蔵さんが、妻を亡くした直後、ディズニーランドで目撃され、「不謹慎」「奥様がかわいそう」と炎上した。そこへ坊主さんが、「残された者が笑顔でニコニコしてることが先に逝った人への最高の供養だと、高齢の住職から教わりました」とツイートすると、炎上はたちまち収まり、多くの感動や共感を集めた。
大人気の「大喜利」に込めた思い
人気を決定づけたのは、今や坊主さんのツイッターで定番となっている大喜利である。坊主さんが出すお題に対し、ユーザーが面白い回答を寄せ、最優秀賞などを決定するというもの。実は投稿するネタが切れかけていたときに、このスタイルを思いついたのだそう。また大喜利が、フォロワーのささやかな喜びのひとつになってほしい、と坊主さんは続ける。
「ツイッターをやってる人って、承認欲求が強いから、自分の投稿に『いいね』をほしいんです。大喜利にリプをする(ツイッター上で回答を寄せる)と、『いいね』が何百ってもらえます。私生活は非リア充の人も、せめてツイッターでは『認められた!』『うれしい!』ってなってもらえれば。大喜利にはそんな思いもあります」
大喜利には、著名人のファンも多く、フォロワーが増えるにつれ、ツイッター経由で悩み相談も寄せられるようになった。仏教の教えにもとづいて、まじめに回答することもあれば、内容によっては笑いで返すこともある。
「『おばあちゃんが亡くなって悲しいので、慰めてください』っていうDMが来たんです。こういったときに、よく送る画像があって。見たら絶対に笑って、元気になってくれる画像です」
その画像とは、ミュージシャンの米津玄師さんに、坊主さんがツイッターでブロックされている画面のスクリーンショット。送るとほとんどの人が、「めっちゃ笑いました」「ありがとうございました」とよろこんでくれるそう。「私の鉄板ネタなんですよ。米津さんには感謝しかないです」と坊主さんは笑う。
坊主バーを退職することになり、自らのアカウントを立ち上げて、ユニークな投稿を続けた結果、フォロワー数は約110万人に。芸能人でもなかなかいない数である。
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