大谷翔平がファンから絶大に愛される5つの要因 東京五輪の中でも熱狂が続くほどの好感度

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2.人に恵まれる

その後、大谷はMLBのスカウトに高く評価され、目標をNPBのドラフト指名から「高校からのMLB挑戦」に切り替えた。これは「ぶれた」というより、目標をさらに高く設定し直したといえるだろう。

しかし日本ハムはMLB挑戦を明言した大谷を1位で強行指名する。当初は球団との面談さえ拒否していたが、最後は説得を受け入れ入団を決意する。

これまでのプロ球団は選手を「落とすため」には、両親や監督、有力支援者など選手に影響力のある人物を説得して、包囲網を敷いて決断を迫ることが多かった。

しかし日本ハムは「企画書」を作成し、大谷に直接プレゼンテーションした。手元にこのときの企画書があるが、まるで企業のプレゼンテーションのように「MLBに直接行くのではなく、NPBを経由するほうがいい理由」「日本ハムの育成体制」などが丁寧に説明されている。

「単なる高校生」「素材」とみるのではなく、一人の人間として尊重し、三顧の礼で迎え入れる。しかも入団の時点でMLBへの移籍を確約する。こうした日本ハム球団の真摯な姿勢が大谷を動かしたのだ。

このプレゼンには栗山英樹監督も参加したが、その企画書には「二刀流育成プラン」という提案もあった。おそらくはこれが大谷の琴線にふれたのではないか。

花巻東の佐々木洋監督、栗山英樹監督をはじめとする日本ハムの育成スタッフ。大谷の人生には、契機となるタイミングで最高の人との出会いがあるように思う。

今季の大活躍も、前例にとらわれず選手の特性を伸ばそうとする名将ジョー・マドンのエンゼルス監督就任があってのことだ。これまでは投手として登板する日の前後は、打者として出場しないなど、厳格な出場制限を課されていたが、マドン監督は、大谷が「出たい」といえばどんどん出場させている。高いレベルで自己管理できる大谷を全面的に信頼しているのだ。何事によらず人が成功するには「人との出会い」が必要だということを実感する。

独自のトレーニング法を編み出す大谷

3.自分で進化できる

上意下達の習慣が定着している野球界では、選手は指導者に「あれ、やっておけ」といわれて体力や技術を磨くことが多い。しかし、大谷は自分で自分の体を知って、独自のトレーニング法を編み出し、研鑽を積んでいる。

2018年にMLBに移籍したときと比べて、今年は一回り大きくなり、上体の筋肉の盛り上がりは目を見張るものになっているが、大谷は単に筋肉量を増量したのではない。ダルビッシュ有のアドバイスも取り入れて肩を中心としたトレーニングはせずに、ウェイトトレーニングを中心に筋トレをしたという。またプロテインも含めた「食トレ」も行った。専門家の協力も得ているが、そうしたトレーニング計画を自分で組み立てて実行しているのだ。

さらに、昨年オフに大谷はシアトルにある私設のトレーニング施設である「ドライブライン・ベースボール」を訪れた。この施設はダルビッシュ有や、昨年のサイ・ヤング賞投手トレバー・バウアーなども利用したことで有名だ。投球や打撃の動作解析、投球の回転数や回転方向などのデータを詳細に提示して、きわめて高度なレベルで自分のプレーを分析でき、今後のトレーニングプランを立てることができる。

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