大谷翔平がファンから絶大に愛される5つの要因 東京五輪の中でも熱狂が続くほどの好感度

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大谷はこの施設で自らの投球の回転や投法についてチェックをして、フォームの改善をしたという。投手としては今季、劇的に成績が向上したが、その背景には自ら取り組んだフォーム、投法改造があったのだ。

大谷は2018年にトミー・ジョン手術(側副靱帯再建術)を受けている。強度の強い剛速球を投げる投手には宿命といってもよい。この年10月1日に手術を受けて、投手として、復帰は2020年の7月26日になった。コロナ禍もあって復帰までに22カ月もかかったのだ。

多くの日本人投手はトミー・ジョン手術から早期に復帰しようとして焦る。松坂大輔などは12カ月でMLBのマウンドに復帰した。しかし大谷は何がベストの選択かをよく考えて、じっくりとリハビリに取り組んだのだ。こうした「学ぶ姿勢」「賢さ」も大谷の特徴だ。

巧みなコミュニケーション方法

4.如才ない

如才ないとは「気が利いていて抜かりがない」という意味で、悪いニュアンスも少し含まれているが、大谷の場合、社会とのコミュニケーションはまさに良い意味で「如才ない」と感じる。大谷の記者会見で目立つのは、語尾が「かな」で終わる発言が多いことだ。

筋トレで身体が大きくなったことを問われて

「筋肉はピッチャーとして邪魔にさえならなければ、もっとつけても大丈夫かなと思います。また、バッターに必要でピッチャーをするのに邪魔な筋肉は、持っていても使わなければいいのかなと」

制球力の重要性について質問されて

「コントロールは大事なんですけど、ある程度、質の高い真っすぐで押せている日にはコースは関係ないんです。ド真ん中にいっても、ファールを取れる。だから調子がいい日に限っては、あんまりコース云々ではないのかなって感じです」

野球の楽しさ、面白さについて

「自分の中で課題を消化するのが野球のおもしろさなのかなと思います」

話の内容そのものは大言壮語になる可能性もある。しかし大谷は断定するのではなく、最後を「かな」で締めくくることでふんわりとした印象を与えているのだ。誰かのアドバイスがあったのか、自分で考えたのかはわからないが、実に巧みな話術だと思う。

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