「副業」が身近なワークスタイルとして定着しつつあります。10年前なら人に気づかれてはいけないタブーな行為。副業にまつわる雑誌などの記事では「会社にバレない」といったサブタイトルが使われ、こっそり稼ぐ手段にすぎませんでした。
ところが、ヤフー、ライオン、三菱地所やメガバンクなどが副業を解禁した2020年以降、解禁どころか奨励する会社も登場。最近は「副業をするので帰ります」と公言できる職場も増えつつあります。
YOUTRUSTが行った調査では、2020年に起こった働き方の変化として、「副業をした」を挙げた人は全体の約半数にのぼりました。さらに2021年にチャレンジしたい働き方として、「副業をしたい」「リモートワークをしたい」と回答した人は全体の約7割にも達しています。
ランサーズの調査によると副業・兼業を行う人は、812万人で去年より100万人以上増えたといいます。
なぜ、こうした大転換が起きたのか?まず、多くの企業が生き残るため、働き方改革で残業を減らし、定年までの雇用負担を回避する施策も必要と考えるようになりました。一方で社員の側は、可処分所得の減少や将来の雇用不安を払拭するため、新たなキャリア・稼ぎ口を見いだ必要を認識。副業ワークが広まる下地ができました。
20代のビジネスパーソンと話をしていると、副業を考えるのは当たり前。最近はパラレルワークやダブルワーク、ギグワークなど時代が注目するキーワードと副業がシンクロして、魅力的な働き方と認識されつつあります。そのお試し機会を提供したのがコロナとリモートワークであったともいえます。
総合的に見て、今後も副業ワーカーが増加していくのは間違いないと思われ、仮に自分自身は副業をしないとしても、副業ワーカーと一緒に仕事をする可能性は高まってきたと言えます。いったい自分にどのような影響があるのか。またどのような覚悟が必要になるでしょうか。
関心の高まりにあわせたサービスも
副業への関心の高まりにあわせ、ユーザー側に向けたサービスも続々と登場しています。“体験”“スキマ”“交流”“在宅”など目的別にさまざまな仕事を探せるサイト「BitWork」や、1回の会議への参加などからできる副業・兼業の紹介を行うリクルートの「サンカク」など、副業ワークの検索サイト、斡旋・情報提供サービスが多数生まれています。
こうしたサービスを使えば、在宅勤務の「隙間時間」でも副業を比較的簡単に探すことができます。しかも副業ワークとして以前から存在していた翻訳やデータ入力などの作業的な仕事だけでなく、プロジェクトワークへの参加など、仕事のバリエーションも増加しています。
例えば、「広告代理店に勤務しつつ新規事業の立ち上げ支援をしている」「メーカーに勤務しつつ、新商品のプロモーションや業務改善などの仕事を副業で行う」など、1日の1~2時間を副業にあてて、仕事に取り組む人を周囲でも見かけるようになりました。
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