東大教授が語る「人がサイボーグになる」の現実度 「ネオ・ヒューマン」が示す「未来の人類」の姿
注目を集める「サイボーグ・アバター」技術
『ネオ・ヒューマン』は、人間の新たな可能性をポジティブに伝えてくれる本です。私がずっと書きたかったことを、見事に書かれてしまいました。
著者のピーター・スコット‐モーガンさんは、自らの身体をサイボーグ化し、AIで制御するアバターを使うことで、筋肉が動かなくなる難病ALSに対抗しようとしています。
世間一般の感覚からすると10年は早い物語ですが、以前から同じような研究をしている私としては、「ほらね!」と思わず膝を打ちました。
というのも、「サイボーグ、アバター、AI」といったピーターさんのような取り組みは、現在、世界中で多くの科学者が関心をもっている分野なのです。
日本では、政府が1000億円規模の予算を投じる「ムーンショット型研究開発制度」があります。その第1の目標が「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」することです。研究概要には、以下のようにあります。まさにピーターさんの取り組みを思わせる内容です。
「サイボーグやアバターとして知られる一連の技術を高度に活用し、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するサイバネティック・アバター技術を、社会通念を踏まえながら研究開発を推進していきます」
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