日本人を縛る「成長する人=偉い」という思い込み ネオヒューマンが示す「AI教が人類を救う」訳

「ピーター2.0」に見るVRの世界と成長信仰
『ネオ・ヒューマン』では、最終的にAIと融合した著者のピーター・スコット-モーガンと、恋人フランシスだけが登場する、VRで作られた楽園の世界が描かれています。そして、そこに生きていることは、幸せなのだろうかという論点があります。
VRの世界では、その登場人物を自分で決めることができてしまいます。そして、AIで作られたパーソナリティには、「今の瞬間」しかなく、成長しません。時間の認識がありませんから、今日も、明日も、100年後も同じということになります。
その成長のない瞬間にとどまって、好きな人と毎日ランチを続けているのが幸せなのか、何の変化も成長もないのは不幸ではないか。そう感じる人もいるでしょう。
しかしここには、私たちが「成長しなければならない」という強迫観念、神話に囚われているのではないか、という問題があります。
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