人類初「AIと融合」した61歳科学者の壮絶な人生 「ネオヒューマン」の生活は喜びと希望に溢れる

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人類で初めて「AIと融合」し、サイボーグとして生きる決断をしたピーター・スコット-モーガン博士(写真提供:ピーター・スコット-モーガン)
イギリスのロボット科学者であるピーター・スコット-モーガン博士は、全身が動かなくなる難病ALSで余命2年を宣告されたことを機に、人類で初めて「AIと融合」し、サイボーグとして生きる未来を選んだ。
「これは僕にとって実地で研究を行う、またとない機会でもあるのです」
彼はなぜ、そんな決断ができたのか。人間が「AIと融合」するとはどういうことか。それにより「人として生きること」の定義はどう変わるのか。ピーター博士が自らの挑戦の記録として著わし世界で話題騒然の『NEO HUMAN ネオ・ヒューマン――究極の自由を得る未来』が、日本でも話題となっている。来る11月24日には、NHK『クローズアップ現代+』で「ピーター2.0 サイボーグとして生きる」として取り上げられる予定だ。
本書の邦訳を担当した翻訳家の藤田美菜子氏に、ピーター博士の「壮絶で幸せな生き様」を解説してもらった。

希望に満ちた「現実世界のサイボーグ」

「サイボーグ」と聞いて、あなたは何を連想するだろうか?

『NEO HUMAN ネオ・ヒューマン――究極の自由を得る未来』(画像をクリックすると、特設サイトにジャンプします)

石ノ森章太郎の『サイボーグ009』では人間兵器として改造された主人公。懐かしの海外ドラマ『600万ドルの男』では、瀕死の事故からサイボーグとして蘇生され、スパイにスカウトされる主人公。フィクションの世界では、悲惨な境遇の持ち主として描かれることが多いかもしれない。

しかし、「現実世界のサイボーグ」は、もっと希望に満ちた存在だ。

本書『ネオ・ヒューマン』の著者、ピーター・スコット-モーガン博士が、「人類初のフルサイボーグ」になることを決意したのは、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者として「ただ生き延びる」のではなく、「人生を思い切り楽しむ」ためだった――。

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