『ゴジラ』が尖兵、東宝が描く海外戦略 市川南取締役、「ゴジラは東宝所属の俳優だ」

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海外に積極的に仕掛けていきたい

――海外から求められる作品の傾向はどのようなものがあるのでしょうか?

正直、海外での日本映画の市場規模は小さい。やはり日本語による、日本人の話なので、欧米よりはアジア中心のセールスになります。大規模で公開されるものは、実写よりもアニメーションのほうが中心となっています。アジアは日本に比べて映画料金は安いので、それほど大きな利益になるわけではありません。実写の場合、日本映画は日本で当てたほうが手っ取り早いというのが実状だといえます。

――アニメーションでいうと、どのような作品が海外で売れたのでしょうか?

やはりジブリ作品が多いです。ポケモンも全米公開されました。

――作品によって海外展開を意識するということなのでしょうか?

基本的にはどの作品でも、チャンスがあれば海外に売るようにはしています。たとえばゴジラは最高の成功例となりますが、日本で作ったストーリーを海外に売り込む、ということは考えています。『世界の中心で、愛をさけぶ』なども韓国でリメイクされましたからね。

――ハリウッドは今、中国市場を意識していますが、東宝さんはいかがですか?

中国で公開される外国映画は制限されています。特に日本映画は、アニメが年に2~3本公開されるだけで、ほとんど公開されていないのではないかと思います。それよりは東南アジア、香港の市場のほうが安定しているかもしれません。ですから出来上がった作品を売ることと同時に、その作品をハリウッドやアジアでリメイクしてもらうという、ある種、アイデアを輸出する、という方向性ももっとトライしてみてもいいのかもしれません。今までは向こうから言われたことにお応えして、それが成立するかどうかという状態でやってきましたが、これからはもっとこちらから積極的に仕掛けていって、ビジネスチャンスを広げていくことを考えています。

――再びギャレス・エドワーズ監督の下で『GODZILLA ゴジラ』の続編制作が決定した、というニュースがありましたが。

まだ詳細はわかりませんが、楽しみにしております。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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