『ゴジラ』が尖兵、東宝が描く海外戦略 市川南取締役、「ゴジラは東宝所属の俳優だ」

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市川 南(いちかわ みなみ)
1966年東京都出身。学習院大学文学部卒業後、1989年東宝に入社。宣伝部に12年間所属し、『千と千尋の神隠し』など約30の作品を担当。2002年より映画調整部に異動し、配給作品の編成、自社製作作品の企画に携わる。『世界の中心で、愛をさけぶ』『いま、会いにゆきます』など多くのヒット作品にかかわった。2006年から映像本部映画調整部長、2011年に映画調整担当兼映画企画担当の取締役に就任。 (撮影:尾形文繁)

――1998年版と、2014年版で、東宝さんのかかわり方に違いはあるのですか?

基本的には同じです。ただ、1998年版の際は、ゴジラの造形に関するチェックがありませんでした。ゴジラを俳優として貸し出すところまでは一緒だったのですが、「この姿、形は守ってくださいね」か、「この俳優は自由に使ってください」か、という違いだと思いますね。

――今回の2014年版にはどのような評価を?

東宝・ハリウッド作品を含めて30本あるゴジラ映画の中でもトップクラスの完成度だと思っています。最新の技術を使っていますし、今までのゴジラ映画を踏襲しています。さらに原発の問題などを踏まえた物語も現代的だと思いますし、最もエキサイティングなゴジラだと思います。

ファンの望む声が大きければ復活もありえる

――2004年公開の『ゴジラ FINAL WARS』からちょうど10年が経ちました。これを機に、日本でも『ゴジラ』シリーズを復活させようという動きはあるのでしょうか?

今回のような、潤沢な予算を使った、かなり出来のいい『ゴジラ』が作られた後で、はたして通用するのか、という気持ちもあります。ただ、ファンの望む声があれば、まったくない話ではないとは思います。

――日本の『ゴジラ』シリーズは海外ではどのような評価を受けているのでしょうか?

東宝には国際部門があり、そこで日本映画の海外販売を担当しているのですが、『ゴジラ』は日本映画の中でもかなり売れる作品のひとつです。東宝だと、黒澤明作品とゴジラ作品が強いです。アメリカ向けに再編集を行った『怪獣王ゴジラ』という作品もあります。海外収入も累積したら、相当な金額になっているはずです。

(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC
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