「日本のヒーロー」には普遍的な魅力がある 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ダグ・リーマン監督に聞く

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(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BMI)LIMITED
 日本人作家・桜坂洋原作の傑作SF小説を、トム・クルーズ主演、ダグ・リーマン監督でハリウッド映画化した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が7月4日より全国劇場で公開されている。
 舞台は、謎の侵略者ギタイからの攻撃で滅亡寸前の世界。同じ日を無限に繰り返す"時のループ"に巻き込まれた戦闘スキルゼロの兵士ケイジ(トム・クルーズ)は、最強の女性兵士リタ(エミリー・ブラント)と出逢う。ケイジのループ能力が敵を倒す鍵になると確信したリタは、彼を強靭な“兵器”に変えるべく、徹底的に鍛え上げる。“戦う・死ぬ・目覚める”のループを繰り返すことで別人のように成長したケイジだが──。
 ダグ・リーマン監督は、マット・デイモン主演の『ボーン・アイデンティティー』や『Mr.&Mrs. スミス』『フェア・ゲーム』などを手がけたハリウッドのヒットメーカー。今回の来日キャンペーンでは、主演のトム・クルーズらと共に、大阪、福岡、東京の3都市を1日で縦断するキャンペーンツアーを敢行。ハリウッド映画のPRイベントとしては異例のこととして話題となった。今回は、そのキャンペーンツアーを終えた監督に、日本のコンテンツを映画にすることへの思い、そしてハードワーカーとして知られるトム・クルーズと仕事をすることとはどういうことなのか、という点について聞いた。

『Mr.&Mrs.スミス』以上に独創的な作品

――3都市縦断ツアーを終えて、疲れていませんか?

疲れるどころか、むしろエネルギーをもらった。3つの都市をまわるたびに、ファンからの愛情、そしてものすごいパワーをもらうことができた。特に福岡では7,000人くらいのファンがいてね。ファンはトムに愛を送っているし、トムもファンに愛を返していた。あんなすばらしい光景を目にしたのは初めてだった。

――『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は日本のライトノベル小説が原作でしたが、読んでみた印象は?

読んでみて、ほれ込んでしまった。とにかく独創的だし、ものすごくエキサイティング。面白い主人公が描かれている。主人公は、初めこそ臆病者だったけど、だんだん成長してきて、最後はヒーローになる。僕が理想としているヒーローだ。

――どういうところが気に入りましたか?

一番気に入ったのはラブストーリーの側面だ。今までは(リーマン監督が手がけた2005年の)『Mr.&Mrs.スミス』が一番、独創的なラブストーリーだと思っていて、それを超えるものはないと思っていたけど、この映画のラブストーリーはそれを超えてしまった。同じ日を何回も繰り返していく中、リタにとっては毎回初めての出会いでも、ケイジは記憶を積み重ねている。そこにラブロマンスの要素が加わるわけだからものすごく独創的だよね。

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