ゴジラは東宝所属の俳優
――ローランド・エメリッヒ監督がメガホンを執った1998年版『GODZILLA ゴジラ』は、エンターテインメント作品として評価する声もありますが、一般的には、ゴジラ映画としては批判が多かった作品だと思いますが。
確かに賛否両論があった作品なのですが、それでも多くの観客動員を得た作品です。吹き替え版と字幕版を合わせて興行収入(売上高に相当)は、50億円くらいいきました。ただ、今回はそれに続くシリーズではなく、あらためてゴジラを映画化したいという申し出があって始まった、新しいプロジェクトとなります。
東宝としては、ゴジラを俳優にたとえています。東宝に所属している俳優のゴジラをハリウッドに貸し出したという認識です。俳優ですから、出演料も頂戴します。さらにオプション的な報酬も東宝に入るという仕組みになっています。海外の興行はワーナー・ブラザーズが担当していますが、日本国内の劇場配給、ビデオ、テレビで販売する権利などは、東宝が預かってビジネスをする形を取っています。
――1998年版は、オリジナル版とは似ても似つかないトカゲのようなゴジラのデザインが、多くのゴジラファンの不評を買ったわけですが、今回の2014年版はオリジナルを尊重したデザインとなりました。今回、「これだけは尊重してほしい」といったリクエストはされたのでしょうか?
前作を踏まえて、ゴジラのデザインをチェックさせてくださいということはお願いしました。しかし、幸いなことにギャレス・エドワーズ監督は大のゴジラファンでした。彼は子どもの頃から、ケーブルテレビで放送されていたゴジラを浴びるように見て育ったと聞いています。中でも、1954年の第1作が大好きで、日本のゴジラのデザインにも敬意がある。レジェンダリー社はクリエーターズ集団なので、そういう意味でベストな人選をしていただいたと思います。
もちろんレジェンダリー社の方もゴジラ好きで、東宝のスタッフが向こうに行ったときも、「ようこそ東宝の皆さん」と日本語で歓迎するゴジラのポスターを作ってくれましたし、われわれ東宝とのコミュニケーションもかなり良好でした。
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